自分の「好きなこと」あるいは「得意なこと」をビジネスアイディアの候補として選定し、「商品」サービスを決めたら、次に必要な視点が「ニーズ」です。
「好きなこと」や「得意なこと」を脇に置いて、自分仕様のビジネスを考えることはできません。
とはいえ、「好きなこと」や「得意なこと」はあくまで「自分中心」の考え方です。
「商品」を誰かに買ってもらうという段階に来ると、それを欲しいと思う人の「需要(ニーズ)」の視点が必要になってきます。
自分目線・他者目線・ニーズ目線
この3つの目線の違いがわかりますか?
具体的な例をあげて、見ていきたいと思います。
◆自分目線
「わたしは事務が得意です」
「自分の好きな人と、場所にとらわれずに働きたいです」
◆ニーズ目線
「事務で困っているのは、どんな人だろうか」
「わたしのスキルは、誰の役に立つことができるだろうか」
◆他者目線
「フリーランスになりたいなんて言ったら、母親はどう思うかな?」
「人事評価で毎年低評価を付けてきた、前職の部長を見返したい」
副業のスタートは自分目線から
副業の商品づくりは「自分目線」でスタートしたら良いと思います。
まずは、自分が「好きなこと」や「得意なこと」を言語化し、商品化していく。
これは、「自分目線」での考え方です。
自分目線の次は、ニーズ目線
そして、「自分目線」の次に必要になるのは「ニーズ目線」です。
自分仕様のビジネスアイディア、そして「商品」が「誰の役に立つのか」という視点で、捉えなおしてみましょう。
<お客様が欲しいもの>
お客様が欲しいもの(ニーズ)は、大きく分けて2つあります。
①プラスを生み出す(「快」の状態に近づける)
②マイナスを払拭する(「不快」の度合を減らす)
例えば、オンライン事務代行の藤根理香が、事務が苦手なフリーランスの経理をお手伝いしたとします。
この時、わたしが簿記2級の資格を持っているとか、事務経験14年目とか、お客様には一切関係がありません。
事務が苦手なフリーランスの人は、誰かが代わりに経理をやってくれることで、毎月(毎年)やってくる苦痛な時間から解放されます。(=②)
更に、経理事務の自動化など、期待していた以上のサービスを提供すると、事務が苦手なフリーランスの人は感動してくれます。(=①)
すると、今までは「時間がない!」とあきらめて、後回しにしていた新しい事業に取り掛かることができ、
事務が苦手なフリーランスの人は、今後、更に売上を伸ばすことに繋がるでしょう。(=①)
お客様になりうる人のマイナスを減らすか、プラスを生み出すか。
どちらのパターンでも良いのですが、ご自身の「商品」が購入者にとってどのような「変化」を提供するものなのか、より具体的にイメージしてみてください。
ニーズ目線と他者目線は違う
わたしたちは、普段の生活の中で「他人からどう見られるか」を気にしてしまいます。
これは「他者目線」であり、「自分目線」や「ニーズ目線」とは区別する必要があります。
周りの人にどう思われるか?
どんな風に評価されるか?
といった発想は、必要がありません。
もし、今この記事を読みながら、「他者目線」に近い言葉が浮かんできたら、その言葉は今はいったん保留にしておきましょう!
ビジネスの基本は「人の役に立つ」こと
「副業をしてみたいけれど、何をしたらよいかわからない」
「自分には、誰かに提供できる特別なスキルがない」
そんなお悩みを抱えて、なかなか最初の一歩が踏み出せない人も多いと思います。
わたしも、そのうちの一人でした。
「自分の商品を提供して、それが人の役に立ち、その結果として対価を頂く」
というのがビジネスの基本的な考え方です。
ただし、この記事を読んでいる皆さんには「人の役に立つ」という言葉の意味を、難しく考えすぎてしまったり、自分の思い込みで必要以上に狭めてしまっているかもしれません。
「人の役に立つ」ことの(例)
・人を笑わせる(会話、イラスト)
・リアクションする(SNS、リアルのコミュニケーション)
・人を安心させる(態度)
・リラックスさせる(写真、絵、音楽)
・楽しませる(企画、文章)
・お手伝いする(家事代行、事務代行)
・機会を作る(イベント幹事、読書会、朝活)
副業のスタート時点から「プロフェッショナル」である必要はない
先にに例をあげたこと以外にも、実は「人の役に立つ」を挙げ始めるとキリがありません。
個人的には、副業のスタートの時点から、必ずしもその道の「プロフェッショナル」である必要がないと考えています。
これは、わたし自身の失敗からの学びです。
最初からその道の「プロフェッショナル」であることを自分に求めていたからこそ、わたしは起業塾ではビジネスアイディアが見つからなかったんですよね。
でも、正解は真逆だったのです。
そもそも、打席に立たないと経験値は上がらないですし、実践なくして「プロフェッショナル」にはなれないのです。
他人に対し、自分の「商品」はどんなふうに人の役に立ち、相手にどんな価値を与えることができそうか。
他人に「与える」の定義を広めて、思いつく限り、言葉にしてみましょう。
ニーズ目線がわからないという人へ
せっかく、ご自身の「商品」が思いついているにも関わず、まだ「ニーズ目線」で見ることができないという方は、ぜひ以下の方法を試してみてください。
(行動例)
・類似の商品・サービスを実際に購入し、体験してみて、自分が得られた「変化」について言語化する。
・類似の商品・サービスの広告を見て、購入者がどんなニーズを持っているのかを観察する。
・実際に商品・サービスを提供してみて、購入者から「リアルな声」を聴いてみる。
・ペルソナの声を聞きながら、「商品」を改善・改良してみる。
わたし自身も、まだこの「二ーズ目線」については、日々、現場でお客様の声を聞き、学びながら、お仕事をさせて頂いている状況です。
会社員として、ずっと「与えられた仕事」をしてきたわたしたちにとっては、なかなかハードルの高い課題のようにも感じます。
副業を実際に取り組みながら、サービスを提供する側、価値を与える側の発想に少しずつ慣れていきましょう。
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