わたしは2017年に「好きなことで起業する」というコンセプトの起業塾に入ってみたものの、ビジネスアイディアが決まらないまま1年が過ぎ、学びは徒労に終わりました。
ですが、「好きなことで起業する」コンセプトの起業塾で教わった「副業のやり方」それ自体はわたしがオンライン事務代行を始めてから、会社を辞めるまでのプロセスで大いに役に立っています。
この記事では、これから副業を始めたい方、副業を始めたばかりの方に、わたしが起業塾で教わった「ひとりビジネスの育て方」と、実際にそれを実践した経験をシェアしていきます。
会社員こそ副業がおすすめ
わたしは前職で、認可・認証保育所を全国に展開する事業会社に勤めていましたが、2年9カ月勤めたのち、事業部長からパワハラを受けたのがきっかけで、2022年6月に退職することを決めました。
会社を辞める前段階で、わたしは、会社員として一定の給与を得ながら、副業で1年半ほど経験を積んでいます。
わたしが以前に入会していた起業塾では「会社を辞めずに、副業から自分のビジネスを育てていく」というやり方が推奨されており、そのときの考え方に割と忠実に従っていました。
いきなり会社を辞めてはいけない!
「やりたいことが見つかった!」と言って、ビジネスアイディアが決まった段階ですぐに会社を辞めるのは、非常にリスクが高いのです。
「知名度もない、売り方もわからない状態でいきなり会社を辞めて、売上がなく、ただ貯金の残高だけが減っていくのは精神衛生的に良くない」
起業塾の講師の方のこの一言がわたしの心に残っています。
ですので、もし副業から独立・起業を目指す人は、副業である程度の経験を積んだり、十分な資金が手元に残ってから、会社を辞めることを、わたしもおすすめします。
会社を辞める目安(一般論)
副業で自分のビジネスを立ち上げた人が、会社員を辞めても良い目安をご紹介します。
独身の人は本業と同程度の収入を得られるようになったとき
家族のいる方は、本業の2倍以上の収入が得られ、1年分の生活費を確保できたとき
会社を辞めずに朝晩30分からはじめる起業 (アスカビジネス)
実際のところ、わたしは「会社を辞める目安」どおりの収入を得られた状態で会社を辞めるには至っていません。
ですので、上記の目安はあくまで一般論としてお伝えしておきます。
もともと、会社員としての年収がいくらだったかに大きく左右されます。
オンライン事務代行の副業で得られる収入は?
会社員としての年収400~600万円のレンジであれば、正直なところ、フルタイム正社員で働きながら、オンライン事務代行で本業と同程度の収入を得るのは現実的ではないと考えています。
理由は、稼働時間の確保がダイレクトに売り上げに直結するからです。
例えば、時間単価2,500円(税抜)で契約し、月40時間をクライアントワークに充てることができるとします。
この場合に見込める報酬は月商10万円(税抜)です。
同じ条件で1年間稼働すると、オンライン事務代行の年商は120万円です。
これがかなり手堅いラインだと思います。
オンライン事務代行での独立について(体験談)
もし、会社員の年収が400万円だとしたら、本業と同程度の収入を得るためには、本業と同程度の稼働時間を確保しなければなりません。
会社員としての本業がある中で、月100時間以上を副業に充てるのは、現実的ではないと思います。
そうなると、独立する前に本業と同水準での売上を確保するなら、オンライン事務代行以外の独自サービスを作り、販売していくことも視野に入れる必要があると考えます。
わたしの実体験としては、会社を辞めるタイミングでは、本業と同水準の売上を確保するレベルまで、ビジネスを発展させることはできていませんでした。
実際にやったこととしては、会社員としての同程度の収入を得られることを条件に独立時の単価設定をしました。
そうすれば、1カ月あたり160時間クライアントワークに従事することで、会社員として同程度の収入が見込めると考えました。
独立とお金のこと
わたしが副業をしていた当時、独立したいと思いながら副業に取り組んでいました。
独立するにあたり、一番気になっていたのは、お金のことです。
お恥ずかしながら、大学職員・会社員時代を通じて、わたしはお金に関してはほとんど無知の状態でした。
独立を意識した時点で、お金について学び始めたのです。
まず、独立のためのお金の準備は「両学長」の動画を参考にしました。
わたしが解説するよりも、「両学長」の動画を観てもらった方が話が早いと思うので、会社員から独立を志している方は、ぜひ視聴してみてください。
【学長が教える】失敗しない独立のための10条件
税金・社会保険のこと
大学職員・会社員時代を通じて、人事や労務の仕事に携わってこなかったので、税金や社会保険のこともほとんど無関心で生きてきました。
ですが、独立に向けてお金のことを学び始めると、税金や社会保険も気になり出すものです。
オンライン事務代行の副業を始めた当時のわたしと同じような境遇の方に、おすすめの本があります。
お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!
大河内 薫 (著)・若林 杏樹 (著)
この本は、フリーランスになって丸2年経った今でも、改めて読みなおしてみると参考になることがたくさん書いてあります。
- 節税術(医療費控除や小規模共済等)
- 消費税の申告とインボイス制度
- 事業税
など、実際に確定申告をしてみないとなかなかピンと来ないトピックスがたくさんあるなとも感じています。
フリーランス税本は、ぜひ購入して1冊手元に置いておいてもらいたいと思います。
確定申告を経験した後にも、改めてこの本を読みなおしてみると、また新しい発見がありますよ!
副業で得られた一番のメリットは「自信」
副業で月10万円の売上が上がった時に、「今勤めている会社が潰れても、わたしはきっと生活していけるだろう」という自信を得ました。
そして、「この3~4倍働けば、今までの月収と同じくらいの収入は得られる」そう思ったら、会社でもパワハラ上司に臆することなく、自分の意見を言えるようになりました。
ちなみに、一番最初に月10万円稼いだ当時(2021年7月時点)の時間報酬は、1,650円(税込)/時間に設定していました。
会社の夏休みを使っていたとはいえ、売上を時間単価で割り戻すと、副業だけで月60時間働いていたことになり、「一人ブラック企業状態」ではありました…
副業だからこそ、失敗してもまだ笑っていられる
会社員としての給与がある程度保障されているからこそ、自分が付き合いたくないと感じるお客様は、いろいろと理由をつけて付き合わないようにしていました。
マーケティングの専門用語でいうと「スクリーニング」です。
実際に受注してみて、短期間で取引を中止させてもらったクライアントの事例です。
気軽に「これ明日までに…」という依頼を連発してくる方
- お仕事を急に振られても、平日の朝晩と土日だけでお仕事しているので対応できない…
- 会社員をしながら副業でお仕事をさせてもらっていることに理解のある人とだけお付き合いしたい…
時間報酬1,050円のオンライン秘書と同時進行で依頼をして比較してくる方
- 自分よりも単価の低い方と同時進行で比べられるのは、あまり気持ちが良くない…
- 仕事の「質」を適切に評価して下さるお客様とだけ一緒に仕事をしたい…
法令違反や規約違反のお仕事を依頼してくる方
- お仕事を長く続けて行くためにも、わたし自身がトラブルに巻き込まれることは避けたい…
- モラルの低いお客様と長くお付き合いを続けるのは難しいと感じる…
言語化すると厳しい印象になってしまうかもしれませんが、本当に、そんな方々がいらっしゃいました。
もし、いきなり会社を辞めてオンライン事務代行を始めていたら、どんなお客様とお付き合いすればよいかもわからず、彼らからの売上に頼ってしまい、バランスを崩していたかもしれません。
せっかく会社を辞めて、フリーランスとして自由な働き方を実現しようと思っても、「お金のため」が最優先事項になってしまうと、冷静な判断ができなかったと思います。
副業はやってみないとわからないことだらけ(まとめ)
オンライン事務代行の偉大な先輩である尾上友美さん。
彼女が地元の兵庫県姫路市を走りまわって、自由に、楽しそうに仕事をしているのに憧れて、わたしもフリーランスで事務の仕事をしてみたいと思うようになりました。
ですが、実際に副業でビジネスを始めて見ると、必ずしも楽しいことだけではなく、世の中にはいろんなお客様がいるのだということを知りました。
裏を返せば、副業でパーフェクトカスタマーではないお客様との関わりを通じて、
「自分はどんな人と仕事をすれば、楽しく、そして心穏やかに暮らしていけるのか」
という、自分の判断基準を持てるようになりました。
会社員でいるうちは、いくらでも失敗できますし、そこから起動修正していくことも出来ます。
もし、今、既に副業のビジネスアイディアがある方やオンライン事務代行をやってみたいという方は、恐れることなく副業にチャレンジし、実践の中でたくさん学んでみて欲しいと思います!