オンライン事務代行の副業を始めたきっかけ
まずは、自己紹介がてらに、わたしがなぜ今の仕事や働き方に至ったのか、その経緯をご紹介します。
わたしは、フルタイム正社員として会社に勤めながら、2021年1月から副業でオンライン事務代行を始めました。
オンライン事務代行を始めた直接のきっかけは、わたしが尊敬しているオンライン事務代行の尾上友美さんのストアカ講座を受け、「自分にもできるかも!」と思ったことです。
尾上友美さんの講座を受講するまでのわたしは
「自分にはスキルがない」
「専門分野がない」
「事務しかできない」
という、思い込みで仕事の面で自分自身を低く評価していました。
副業すら、始まらない時代があった
オンライン事務代行の副業を始める前、2017年に話は遡ります。
約1年ほど「好きなことで起業する」というスタンスの起業塾に入っていました。
しかしながら、「好きなこと」をビジネスにするという発想がどうしてもわたしの性格に合わず、1年経っても何で起業するか、その「ビジネスアイディア」の部分が見つからず、起業塾自体を辞めるに至りました。
わたし自身、「好きなこと」で起業するタイプの起業塾に入ったのが、民間企業に転職した直後でした。
7年半、公立大学の職員として、公務員に近い働き方をしていました。
セールスや集客、自分で売上を作るという仕事から無縁の場所にいました。
大学の収入の半分以上は、設置団体から交付される税金ですからね。
しかも、規則や規程が細かく決められて、それに即した事務をするという仕事だったので、「好きなこと」からも、「稼ぐこと」からも、あまりにも無縁なところにいました。
だから、「好きなことで起業する」というフレーズに惹かれて入塾してみたものの、当時の自分には相当ハードルが高かったのだと思います。
(そして、講師の方との相性もあまりよくなかったのだと思います)
そもそも、なぜ副業を始めようと思ったのか
出世しないと、給与は上がらない
わたしは、大学職員だった頃から2021年まで、会社員としての年収が450~500万円ほどでした。
同世代の平均年収(435万円)よりは少し高めかなと思いますが、部下を持たない、プレイヤーの事務職としては、ずっと頭打ちを感じていました。
大学職員のときも、会社員に転職してからも、ずっと根底にあるのは「管理職になりたくない」という悩みです。
仕事は好きだけど、マネジメント層にならないと自分の評価(年収)は上がっていかない組織の在り方がわたしの性分には合わないと強く感じました。
これは、わたしの勤めていた職場に限った話ではなく、日本の会社組織にはある程度共通するものがあると思っています。
転職サイトで事務職の求人を探しても、自分にマッチする条件のものが見つからないんですよね。
だから、転職したところで、きっとわたしの悩みはなくならない…
キャリアが振り出しに戻る「ジョブローテーション」
大学は2~3年に一度人事異動のある職場で、建築や図書館司書などの専門職以外は全員が「ゼネラリスト」として育てられました。
何らかの「プロ」に憧れるけれども、「専門分野がない」というコンプレックスが、わたしの中に育っていました。
「出世したくないけど、仕事はちゃんとやりたいし、頑張ったらその分きちんと評価を得たい」
「専門分野を持ちたいけれど、何でも広く浅くしか経験していない(プロではない)」
転職活動にせよ、副業を始めるにせよ、わたしの葛藤の種はいつもこの2つでした。
「得意なこと」で生きていくという発想
「好きなことで起業する」スタンスの起業塾で失敗した後も、
古着転売塾に入ってみたり、
会社の研修で新規事業企画のコンペに参加したり、
国家資格キャリアコンサルタントの勉強をしたり…
「キャリア迷子」の時期が3~4年続きます。
そして、2021年、尾上さんのストアカ講座をきっかけに「本業は会社員で事務をしながら、副業でオンライン事務代行をする」という副業生活が始まりました。
「事務だって立派なスキル」
「器用貧乏な人は、ベンチャー企業や中小企業のサポートに向いている」
そんなメッセージが「専門がないコンプレックス」を強みに反転させてくれると同時に、
事務で売上を上げることができれば、必ずしも組織に属さなくても良い!出世しなくても良い!
という、働き方のヒントを得ることになります。
「好きなこと」に執着する必要はない
「好きなこと」起業の起業塾に通っていた頃と、実際に今もそうなのですが…
「ヨガインストラクターになってお金に苦労するなら、会社員のままの方が良い」
「凡人の自分が、好きなこと(猫、ヨガ、読書等)で発信して、収益化できるとは思えない」
という感じで、わたしの場合は、「好きなこと」に注目すると「ニーズ」が先行してしまい、自信をなくし、思考停止してしまうタイプなのです。
もともと、ゼロサム思考の持ち主なのです。
過去のわたしと同じように「何か始めたいけれども、何から始めたら良いかわからない」という悩みを持っている方には朗報です。
必ずしも「好きなこと」に執着せず、ご自身の「得意なこと」に注目してみると、それもまた副業を始める上でのヒントになるかもしれません。
デザイナーや建築士の方が、自分の事務所を構えるのって割と世の中に受け入れられていると思うんですよね。
同じように、事務職の人が事務を生業に独立するのが普通になれば良いのになぁと、今はそんなふうに思っています。
得意なことでも、「嫌いなこと」は避ける
副業(複業・起業)のビジネスアイディアを考えるときに、1つだけ注意してほしいことがあります。
ご自身が「嫌いなこと」を避けるのをお勧めします。
個人的には、「好きなこと」にこだわる必要はないと思っていますが、「嫌いなこと」だけは極力避けるようにしています。
例えば、「会社員で経理一筋15年、経理はめちゃくちゃ得意だけど、本当は経理が嫌い」だとしたら、
本業も副業も、日常生活の大半の時間を「嫌いなこと」で埋め尽くされてしまうことになります。
わたしの場合は、事務は得意だけれども、好きでも嫌いでもないというくらいの温度感なのです。
好きなことなら、お金をもらわなくてもやってしまう可能性があるので、注意です。
仕事にするなら、「嫌いではない」が丁度良い塩梅だと思います。
「好きなこと」「やりたいこと」がまだ自分の中でピンとこないという人は、
「得意なこと」に注目してみたり、「嫌いを避ける」という視点も試してみてくださいね。