「好きなことを仕事にする」を勧めない理由6選|わたしの実体験も踏まえて解説


「好きなことを仕事にしたい」と願う人はたくさんいます。

SNSには、夢を叶えて輝いている人たちの投稿があふれ、

やりたいことを見つけて、好きなことを仕事にしよう

という言葉もよく見かけます。

でも、その一方で、

わたし、別に好きなことなんてないし…

好きなことはあるけど、正直、それで食べていけるとは思えない…

“好き”を仕事にしようとして、逆につらくなった

そんな声も、実はすごく多く存在しています。

この記事では、「好きなことを仕事にした」という理想と現実とのギャップに悩んでいるあなたのために、「好きなことを仕事にする」という働き方を勧めない理由と、無理せず働くための新しい視点をお伝えします。

わたし自身、過去に「好きなことを仕事にしたい」と思って、行動してみたことが何度があります。

その経験から、「好きなこと=仕事にするべきこと」と思い込むと、かえって苦しくなることもあるんだと気づきました。

わたしの実体験も交えてお伝えしていきますので、ひとつのケースとして、今後のキャリアを考える上での参考にしていただけたら嬉しいです。

目次

好きなことを仕事にしない方が良い理由6選

まずは、好きなことを仕事にしないほうが良い理由のうち、代表的なものを6つご紹介します。

あなたが今「好きなことを仕事にしなきゃ」と焦っているなら、好きなことを仕事にした少し先の未来に起こりうることとして、心にとめておいてほしいです。

好きなことを仕事にしないほうが良い理由6選

  • 成果や評価を求めすぎて苦しくなるから
  • お金のプレッシャーで「楽しさ」が失われる
  • 「好き」と「得意」は必ずしも一致しない
  • 仕事にすると、趣味が「義務」になる
  • ビジネススキルが求められる
  • 好きなことは常に変化するから

好きなことを仕事にしない方が良い理由①|成果や評価を求めすぎて苦しくなるから

好きなことだから、誰よりも頑張れるはず

そんな思いでスタートしても、すぐに結果が出るとは限りません。

むしろ、好きだからこそ「うまくやらなきゃ」というプレッシャーが大きくのしかかり、自分自身を追い詰めてしまうこともあるでしょう。

たとえば、イラストを描くのが大好きだった人がSNSで発信を始めたものの、なかなか“いいね”がつかず、自分の作品に自信が持てなくなってしまうこともあるでしょう。

好きだからこそ、結果への期待値も高まり、反応が薄いと一気にモチベーションが下がってしまうのです。

好きなことを仕事にしない方が良い理由②|お金のプレッシャーで「楽しさ」が失われる

「これで稼がなきゃ」と思い始めた途端、純粋に楽しんでいた時間が“仕事モード”に変わってしまうことがあります。

好きなことをビジネスにする場合、「利益が出るか」「需要があるか」といった観点がどうしても必要になるため、自由な創作や表現が難しくなる場面も多々あります。

たとえば、料理が趣味の人がレシピ販売や動画配信を始めたものの、視聴者ニーズに合わせるあまり、自分のこだわりや楽しみを犠牲にしてしまったケースなどがそれに当たります。

好きなことを仕事にしない方が良い理由③|「好き」と「得意」は必ずしも一致しない

「好き」なことと「得意」なことは、必ずしも同じではありません。

たとえば、舞台鑑賞が大好きな人でも、演技や演出をする側に回った途端、まったくうまくいかず挫折してしまうこともあるでしょう。

他と比べて秀でているかどうかという視点は、「好き」の感情と直接的には関係がありません。

逆に、「自分にとっては普通にできること」が他人にとってはすごく価値があることもあります。

たとえば、パソコン操作が得意でない同僚にとって、あなたの“自然にやっているExcel作業”が感謝されるほどのスキルであるように、「当たり前」が仕事になり得るのです。

好きなことを仕事にしない方が良い理由④|仕事にすると、趣味が「義務」になる

仕事にすると、趣味が「義務」になる

趣味は「やりたいときに、やりたい分だけやれる」から楽しいはずです。

それが「毎週〇曜日の納品」や「お客様の要望に合わせて修正」など、ルールと責任が生じるようになると、楽しさよりも「やらねば」が勝ってしまうことがあります。

たとえば、ハンドメイドが好きで作品を販売していた人が、注文対応や在庫管理、納期プレッシャーに追われて疲弊し、「もう作りたくない」と感じてしまったという話は珍しくありません。

自分のペースで気ままに楽しんでいたことが、スケジュールや納期に縛られると、一気に“義務”に変わってしまいます。

「やりたい」から「やらなきゃ」に変わった瞬間、楽しさが薄れてしまうのです。

好きなことを仕事にしない方が良い理由⑤|ビジネススキルが求められる

ビジネススキルが求められる

どれだけ情熱を注げることでも、継続して仕事にしていくには「売れる仕組み」「お金の管理」「顧客対応」などのビジネススキルが必要です。

「好き」を活かす力と「稼ぐ力」は別物なので、そのギャップに苦しむ人も多くいます。

おいしいラーメンが作れる職人さんのお店の経営が、必ずしもうまくいくとは限らないのと同じことです。

好きなことに時間を費やしても、収入に直結しないことでモヤモヤが募るケースも多くみられます。

好きなことを仕事にしない方が良い理由⑥|好きなことは常に変化するから

好きなことは常に変化する

「好き」は人の感情なので、ライフステージやその時の趣味嗜好によって、常に変化しています。

例えば、仕事のリフレッシュのためにヨガを始めて、「今はヨガにはまっている」という人も、来年・再来年もずっと好きとは限りません。

子供ができてヨガスタジオに通えなくなったり、自分が懇意にしていたインストラクターが辞めてしまったりして、何かのきっかけで「好きなこと」から離れてしまうことだってあります。

今の自分にとって無理に「仕事化」しなくても、いずれ形を変えて「好き」が活かせる場面が来るかもしれません。

「好き」を仕事にすることの落とし穴|わたしの実体験

好きなことを仕事にして、キラキラしている人と自分と比べて落ち込んでしまう

「好きなことを仕事にするのが一番幸せ」

世の中には、そんな情報発信をしている人がいますし、傍目に見ている分には、理想的な働き方に聞こえるかもしれません。

好きなことを仕事にして、キラキラしている人と自分と比べて落ち込んでしまうこともあるでしょう。

ですが、本当にそうでしょうか…?

わたしも、ヨガを仕事にしようと試みたものの、うまくいかなかった経験を踏まえて、「好き」を仕事にすることの難しさをお伝えします。

りか

「好き」を仕事にする、という情報発信をしている人は、自分の商品を売りたいという意図を持っている場合もあるので、すべてを鵜呑みにしないようにしましょう。

「好き」を仕事にしようとして感じた違和感

ヨガ講師

わたしにも、「好き」を仕事にしようとして、挫折した経験があります。

わたしは、数年前に「ヨガが好きだから、ヨガ講師になろう」と思った時期がありました。

実際にインストラクターの勉強をして、RYT200という資格も取りかけました。

そんな中、インストラクターの勉強を進めていくうちに、ヨガを仕事にすることの厳しさに気づき始めました。

わたしが「ヨガ講師」という仕事に感じた違和感

  • 自分がヨガをするのは好きだけど、人に教えることはそこまで好きじゃない
  • クラスの内容やインストラクションを考える時間が増えて、自分の練習時間が減ってしまう
  • 会社員向けのクラスを担当するなら、朝や夜の時間帯が中心になり、生活が不規則になる
  • 怪我をしたら働けないし、収入が不安定でこれ一本で食べていけるのか不安
  • ヨガ講師の世界は競争が激しく、芸能人のような“人気商売”のような側面が強い
  • 早くからヨガ講師始めた人が業界の「大御所」として君臨していて、後発のヨガ講師は敵わない

わたしは身体を整えることはもちろん、ヨガの精神的な教えや哲学にも強く惹かれていました。

ですが、実際にヨガ講師として働く人の話を見聞きすると、「どう集客するか」「どう目立つか」が中心となり、結局は人気商売だということがわかりました。

このままヨガを仕事にしがら、本来好きだったヨガ哲学から、だんだん遠ざかってしまう…

ヨガ講師として働くことによって、わたしがヨガから学んだことや、本当に大切にしたいことが置き去りになっていくような違和感がありました。

結果的に、「好きなことを仕事にする=幸せ」とは限らないという現実を見たような気がして、ヨガ講師の道は途中でやめました。

りか

こうして振り返ってみると、「好きなことを仕事にしない方が良い理由」の①~⑥すべて当てはまっていますね!

💡 「好きなこと」で副業をしようとして、挫折した経験もあります。わたしの「古着転売塾」での失敗経験も公開していますので、良かったら参考にしてみてください。

💡 「好きなことで起業する」というスタンスの起業塾でも、挫折した経験があります。「好きなことで起業したい」という人は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

おすすめは「嫌いじゃないこと」から始めてみること

必ずしも「好きなことを仕事にする=幸せ」とは限らない、これはわたしの経験から得た学びです。

だからこそ、キャリアに悩んでいるあなたにおすすめしたいのが、「大好きじゃないけど、苦じゃないこと」をする働き方を考えてみて欲しいです。

好きなことじゃなくても、「苦にならないこと」であれば、自然と続けられるし、人よりも上手にできたりするものです。

副業で始めた「オンライン事務代行」|わたしの体験談

副業で始めた「オンライン事務代行」

わたしの場合、資料づくりや数字を扱う仕事がそこまで好きというわけではないのですが、黙々と取り組むのは苦じゃなし、会社員としてまわりから頼られることもが多くありました。

そして、会社員の時に、副業でオンライン事務代行として働き始めたとき、事務作業をクライアントから感謝されるようになり、

事務作業でも、人の役に立てることがあるんだ…

という、自分の仕事の価値に気づかされることがありました。

「嫌いじゃないこと」でも、誰かの役に立てることがある

誰かの役に立てることが大切

あなたにとっては当たり前のことでも、他人にとっては価値がある、そんな場面は実はたくさんあります。

  • 予定調整や資料作成など、コツコツ丁寧な作業
  • ちょっとした気配りや、相手の立場に立った対応
  • 情報を整理して伝える力、聞き役に回る力

こういったスキルは、「まぁまぁ好き」で「苦にならない」からこそ、安定して提供できるし、人に喜ばれます。

「大好きじゃないと仕事にしちゃいけない」なんてことは、決してありません。

「やりたいこと探し」から「やれること活かし」へ

「やれること活かし」の視点

やりたいことが見つからない…

あなたがもし「やりたいこと探し」に疲れているなら、思い切って視点を変えてみましょう。

いっそのこと「やりたいこと探し」を辞めて、「やれること活かし」へシフトしてみるはいかがでしょうか。

「やれること活かし」の視点

  • 苦じゃないこと
  • 得意かもしれないこと
  • 喜んでもらえたこと

そんな日常の積み重ねが、やがてあなたらしい仕事の形につながっていきます。

💡 オンライン事務代行の副業を通じて学んだ「お金を稼ぐ」とこの意味について、わたしの体験談を紹介しています。「やれること活かし」の事例が知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。

無理しない働き方から「自分らしさ」を育てていく

「好きなことを仕事にする」そんな社会風潮があなたにとってプレッシャーになっているなら、いったんその考えから自由になってみましょう。

無理しない働き方のヒントを3つお伝えします。

無理しない働き方の視点3つ

  • 「まぁまぁ好き」なら、別に大好きじゃなくてもいい
  • 苦にならず、自然にできること
  • それで誰かの役に立てること

こうした選択肢の中に、あなたらしい働き方のヒントがあります。

自分の得意や強みを無理なく発揮できる環境こそ、長く続けられる仕事になります。

「好き」に縛られすぎず、「自分にとって心地いい仕事」を探す視点をぜひ大切にしてみてくださいね。

💡 「やりたいことがわからない」という悩みを抱えている方には、こちらの記事がおすすめです。「やりたくないこと」を明確にして、裏返していくと自分のキャリアが見つかるかもしれません。

💡 わたしは「お金を稼ぐために働く」ということを肯定的に捉えています。仕事にやりがたいを求めなくても良い理由を「マズローの欲求5段階説」を使って解説していますので、良かったらこちらの記事も参考にしてください。

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この記事を書いた人

【「副業事務のはじめ方」の主宰/コーチ】事務歴16年。国家資格キャリアコンサルタント。2021年からオンライン事務代行を副業でスタートし、2022年にオンライン事務代行として独立しました。2024年からは、事務職女性の副業サポートやキャリア支援にも従事しています。

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