好きなことで起業すれば、毎日が楽しくて、自由でストレスもなく働ける
そんな理想を一度は思い描いたことがある方も多いのではないでしょうか。
確かに、自分の得意分野や情熱を活かした働き方は魅力的です。
ところが、実際に始めてみると「想像していたのと違った」という現実に直面する人も少なくありません。
この記事では、「好きなことで起業」の典型的な落とし穴と、その裏にある“やりたくないこと”の現実、そして長く続けるための工夫について解説します。
「好きなこと起業」に憧れているあなたにとって、現実を知り、キャリアを選択していくためのヒントになれば幸いです。
好きなことで起業が陥りやすい「落とし穴」とは?
「好きなことを仕事にする」ことには大きな魅力がありますが、その一方で特有の落とし穴も存在します。
わたしが考える「好きなこと起業」の落とし穴は、大きく分けて3つあります。
好きなことで起業が陥りやすい「落とし穴」
- 好きな作業に没頭しすぎて他を軽視する
- 市場ニーズを見誤る
- 趣味が仕事になると情熱が冷める
好きなこと起業の落とし穴①|好きな作業に没頭しすぎて他を軽視する

商品開発やサービス設計といった「クリエイティブ」な部分に夢中になるあまり、集客や販売戦略、顧客対応などの重要な工程を後回しにしてしまうことがあります。
結果、ビジネス全体が回らなくなってしまうのです。
好きなこと起業の落とし穴②|市場ニーズを見誤る

「自分が好きなもの=売れるもの」と思い込み、市場調査を怠るケースもよくあります。
ところが現実はシビアで、どれだけ情熱を注いでも、顧客が求めていなければビジネスにはなりません。
好きなこと起業の落とし穴③|趣味が仕事になると情熱が冷める

もともと好きだったことも、納期や顧客の要望が加わると“義務”になり、楽しかったはずの作業が苦痛に変わる場合があります。
結果的に「好きなことをやっているのに辛い」という矛盾した状態に陥るのです。
💡 わたしは実際に「好きなこと起業」にチャレンジして、「好きなことをやっているのに辛い」という矛盾した状態に陥ったことがあります。わたしの実体験(失敗談)を参考にしたい方は、こちらの記事をご覧ください。

好きなこと起業でやりたくないことを避けると失敗する理由5選
「やりたいことだけをやる」起業には、必ず見落としがあります。
ここでは、やりたくないことを避け続けると直面する5つの現実を紹介します。
やりたくないことを避けると失敗する理由
- 避けられない工程を飛ばすと事業が回らない
- 続けるためにはリスク回避も必要
- 面倒な作業がクオリティを底上げする
- 信頼は「やりたくない対応」から生まれる
- やりたくないことを回す仕組みが持続力を決める
好きなこと起業の現実①|避けられない工程を飛ばすと事業が回らない

ハンドメイド作家なら梱包や発送、オンライン講座なら運営サポートなど、裏方の仕事が必ず存在します。
これを怠ると顧客満足度は下がり、リピーターもつきません。
避けられない工程を軽視すると、「自分が直接手を動かす時間」だけで成り立つ働き方になってしまいます。
その結果、体調や予定に左右されやすく、仕組みとして事業を回せないため、拡張性にも限界が出てしまうのです。
好きなこと起業の現実②|続けるためにはリスク回避も必要

契約書作成や会計処理、税務申告などは面倒でも欠かせません。
経営に関する知識や資金計画が不足したまま進めると、資金ショートや価格設定の失敗といった致命的なリスクに直結します。
リスク回避のためには、初期段階では、好きなこと一本に絞らず、安定収入の柱を別に持っておくこなど、現実的な対応も必要になってきます。
好きなこと起業の現実③|面倒な作業がクオリティを底上げする

SNS更新やSEO対策、顧客アンケートは地味ですが、顧客の声を拾い改善に活かす大切な作業です。
さらに「なぜこの事業をやるのか」という思想(WHY)を言語化するのも同様に地道な作業です。
これがあるかどうかで顧客からの共感や支持は大きく変わるため、こうした地道で面倒な作業を避けてとおることができません。
好きなこと起業の現実④|信頼は「やりたくない対応」から生まれる

クレーム処理や納期厳守といった一見ストレスフルな作業が、実は信用を積み上げる一番の近道です。
誠実に対応する姿勢が評価され、リピートや紹介案件につながります。
好きなこと起業の現実⑤|仕組みがないと挫折しやすい

請求書作成や確定申告、SNSでの発信など、事業を続けるうえで避けられないルーティンを放置すると、やがて負担が積み重なってしまいます。
最初は情熱で走れても、次第に「面倒だから後回し」にしがちになり、結果的に副業や起業そのものを続けられなくなる人も少なくありません。
やりたくないことを回す仕組みを整えないまま進めると、長期的には必ず壁にぶつかるのです。
好きなこと起業の「やりたくない仕事」との付き合い方
好きなことで起業を続けていくためには、「やりたくないこと」を完全になくすのは現実的ではありません。
大切なのは、それをどう工夫して取り入れるか、あるいは負担を軽くするかという姿勢です。
ここでは、やりたくないことと上手に付き合いながら、「好きなこと起業」を持続させるための実践的な方法を紹介します。
やりたくない仕事との付き合い方
- 仕組み化・外注で負担を減らす
- 趣味を嫌いにならない工夫
- 仲間や環境を活用する
やりたくない仕事との付き合い方①|仕組み化や外注化で負担を減らす

請求業務や経理、SNS運用など、苦手で時間を奪われる作業をそのまま抱えると、事業の継続は難しくなります。
そこで役立つのが「仕組み化」と「外注化や自動化」です。
例えば
- クラウド会計ソフトを導入して経理を簡略化する
- SNS投稿を予約機能でまとめて管理する
- デザインは外注化して、得意な人にお任せする
といった、工夫次第で負担を大幅に減らせます。
やりたくないことを“仕組みとして回る形”に整えることで、苦手意識に振り回されず、本来やりたいことに集中できます。
やりたくない仕事との付き合い方②|趣味を嫌いにならない工夫をする

「好きなこと」を続けるには、あえてすべてを自分で抱え込まないことも重要です。
創造的な部分は自分が担い、ルーティンや雑務は仕組み化することで、好きだったことが「義務」になって嫌いになるリスクを防げます。
こうした線引きを意識するだけでも、長期的にモチベーションを保つことができます。
やりたくない仕事との付き合い方③|仲間や環境を活用する

一人で全てを抱え込むと、やりたくない作業に圧倒されがちです。
信頼できる仲間や、同じ目標を持つコミュニティに身を置くことで、弱点を補い合えたり、モチベーションを保ちやすくなります。
やりたくないことも「誰かと一緒なら乗り越えられる」という環境づくりが、持続力につながります。
💡 信頼できる仲間と一緒に活動したほうが成果が上がりやすい場合と、コミュニティに身を置くことが向いていない場合とがあります。ご自身がどちらのタイプか気になった方は、こちらの記事を参考にしてください。

「好きなことだけ」では成功できない!現実を直視しよう(まとめ)

「好きなことで起業」は、多くの人にとって憧れの働き方です。
しかし現実には、好きなことだけに集中していては事業は成り立ちません。
市場ニーズの調査や経営知識の習得、地味で面倒な裏方作業を避けて通ることはできず、むしろそれらを丁寧にこなすことが、ビジネスの安定と成長につながります。
また、趣味が仕事になることで情熱が冷めたり、時間を売る働き方に限界が生じるといった落とし穴も存在します。
だからこそ、やりたくないことにどう向き合うかが成功の分かれ道です。
外注や自動化を活用しながら、自分の強みを活かせる領域に集中する工夫をすることで、好きなこと自体を嫌いにならずに済みます。
好きなことを仕事にする夢を実現するためには、やりたくないことも含めて受け入れ、それを戦略的にコントロールすることが不可欠です。
その現実を理解し、適切に向き合ってこそ、本当の意味で「好きなことを仕事にする」喜びを味わえるのではないでしょうか。
「好きなことを仕事にするのは、やっぱり難しいかもしれない」と感じた方は、自分のスキルを活かせる副業から始めてみるのも一つの方法です。オンライン事務代行の始め方を詳しく解説した記事がありますので、こちらをぜひ参考にしてみてください。
