「好きなことを仕事にしたい」と願う人はたくさんいます。
SNSには、夢を叶えて輝いている人たちの投稿があふれ、
やりたいことを見つけて、好きなことを仕事にしよう
という言葉もよく見かけます。
でも、その一方で、
わたし、別に好きなことなんてないし…
好きなことはあるけど、正直、それで食べていけるとは思えない…
“好き”を仕事にしようとして、逆につらくなった
そんな声も、実はすごく多く存在しています。
この記事では、「好きなことを仕事にした」という理想と現実とのギャップに悩んでいるあなたのために、「好きなことを仕事にする」という働き方を勧めない理由と、無理せず働くための新しい視点をお伝えします。
わたし自身、過去に「好きなことを仕事にしたい」と思って、行動してみたことが何度があります。
その経験から、「好きなこと=仕事にするべきこと」と思い込むと、かえって苦しくなることもあるんだと気づきました。
わたしの実体験も交えてお伝えしていきますので、ひとつのケースとして、今後のキャリアを考える上での参考にしていただけたら嬉しいです。
「好きなこと」は見つけづらいし、変わりやすい

「やりたいことを見つけよう」というメッセージが飛び交う中で、「自分には特別好きなことなんてない…」と落ち込んでしまう人もいるかもしれません。
そもそも「好きなこと」は感情に近いので、コロコロ変わりやすいものです。
だからこそ、環境や年齢、ライフステージによって変化していくのが自然なんです。
昔は好きだったけど、今はそうでもない
実際にやってみたら、思っていたのと違った
興味があるだけで、本当にやりたいわけではなかった
こんな風に感じるのは、まったく珍しいことではありません。
「好き」という感情は、不安定です。
そもそも論として、常に「好き」を追いかけて、仕事にする必要があるのでしょうか?
「好きなこと探し」がプレッシャーになってしまうくらいなら、少し立ち止まって、別の視点から働き方を考えてみましょう。
「好き」を仕事にすることの落とし穴

「好きなことを仕事にするのが一番幸せ」
世の中には、そんな情報発信をしている人がいます。
傍目に見ている分には、理想的な働き方に聞こえるかもしれません。
好きなことを仕事にして、キラキラしている人と自分と比べて落ち込んでしまうこともあるでしょう。
ですが、現実には、こんな落とし穴もあります。
「好き」を仕事にする落とし穴
- 趣味だったことが「義務」になって、楽しめなくなる
- 好きだからこそ、完璧を求めて疲れてしまう
- お金に変えようとしたとたん、人の目が気になり自由さがなくなる

「好き」を仕事にする、という情報発信をしている人は、自分の商品を売りたいという意図を持っている場合もあるので、すべてを鵜呑みにしないようにしましょう。
「好き」を仕事にしようとして感じた違和感|わたしの体験談


わたしにも、「好き」を仕事にしようとして、挫折した経験があります。
わたしは、数年前に「ヨガが好きだから、ヨガ講師になろう」と思った時期がありました。
実際にインストラクターの勉強をして、RYT200という資格も取りかけました。
でも、インストラクターの勉強を進めていくうちに、ヨガを仕事にすることの厳しさに気づき始めました。
わたしが「ヨガ講師」という仕事に感じた違和感
- 自分がヨガをするのは好きだけど、人に教えることはそこまで好きじゃない
- クラスの内容やインストラクションを考える時間が増えて、自分の練習時間が減ってしまう
- 会社員向けのクラスを担当するなら、朝や夜の時間帯が中心になり、生活が不規則になる
- 怪我をしたら働けないし、収入が不安定でこれ一本で食べていけるのか不安
- ヨガ講師の世界は競争が激しく、芸能人のような“人気商売”のような側面が強い
- 早く始めた人が「大御所」として君臨していて、後発のヨガ講師は敵わない
わたしは身体を整えることはもちろん、ヨガの精神的な教えや哲学にも強く惹かれていました。
ですが、実際にヨガ講師として働く人の話を見聞きすると、「どう集客するか」「どう目立つか」が中心となり、結局は人気商売だということがわかりました。
このままヨガを仕事にしがら、本来好きだったヨガ哲学から、だんだん遠ざかってしまう…
ヨガ講師として働くことによって、わたしがヨガから学んだことや、本当に大切にしたいことが置き去りになっていくような違和感がありました。
結果的に、「好きなことを仕事にする=幸せ」とは限らないという現実を見たような気がして、ヨガ講師の道は途中でやめました。



ヨガインストラクターの勉強を通じて得た洞察は、「無理に“好き”を仕事にしなくてもいい」と考えるようになった、貴重な経験でもあります。
💡 「好きなこと」で副業をしようとして、挫折した経験もあります。わたしの「古着転売塾」での失敗経験も公開していますので、良かったら参考にしてみてください。
の副業が上手くいかなかった話|わたしの失敗談-1.png)
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💡 「好きなことで起業する」というスタンスの起業塾でも、挫折した経験があります。「好きなことで起業したい」という人は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。


おすすめは「まぁまぁ好き(=苦じゃない)」から始めてみること
必ずしも「好きなことを仕事にする=幸せ」とは限らない、これはわたしの経験から得た学びです。
だからこそ、キャリアに悩んでいるあなたにおすすめしたいのが、「大好きじゃないけど、苦じゃないこと」をする働き方を考えてみて欲しいです。
好きなことじゃなくても、「苦にならないこと」であれば、自然と続けられるし、人よりも上手にできたりするものです。
副業で始めた「オンライン事務代行」|わたしの体験談


わたしの場合、資料づくりや数字を扱う仕事がそこまで好きというわけではないのですが、黙々と取り組むのは苦じゃなし、会社員としてまわりから頼られることもが多くありました。
そして、会社員の時に、副業でオンライン事務代行として働き始めたとき、事務作業をクライアントから感謝されるようになり、
事務作業でも、人の役に立てることがあるんだ…
という、自分の仕事の価値に気づかされることがありました。
「まぁまぁ好き」でも、誰かの役に立てることがある


あなたにとっては当たり前のことでも、他人にとっては価値がある、そんな場面は実はたくさんあります。
- 予定調整や資料作成など、コツコツ丁寧な作業
- ちょっとした気配りや、相手の立場に立った対応
- 情報を整理して伝える力、聞き役に回る力
こういったスキルは、「まぁまぁ好き」で「苦にならない」からこそ、安定して提供できるし、人に喜ばれます。
「大好きじゃないと仕事にしちゃいけない」なんてことは、決してありません。
「やりたいこと探し」から「やれること活かし」へ


やりたいことが見つからない…
あなたがもし「やりたいこと探し」に疲れているなら、思い切って視点を変えてみましょう。
いっそのこと「やりたいこと探し」を辞めて、「やれること活かし」へシフトしてみるはいかがでしょうか。
「やれること活かし」の視点
- 苦じゃないこと
- 得意かもしれないこと
- 喜んでもらえたこと
そんな日常の積み重ねが、やがてあなたらしい仕事の形につながっていきます。
💡 オンライン事務代行の副業を通じて学んだ「お金を稼ぐ」とこの意味について、わたしの体験談を紹介しています。「やれること活かし」の事例が知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。


無理しない働き方から「自分らしさ」を育てていく


「好きなことを仕事にする」そんな社会風潮があなたにとってプレッシャーになっているなら、いったんその考えから自由になってみましょう。
無理しない働き方のヒントを3つお伝えします。
無理しない働き方の視点3つ
- 「まぁまぁ好き」なら、別に大好きじゃなくてもいい
- 苦にならず、自然にできること
- それで誰かの役に立てること
こうした選択肢の中に、あなたらしい働き方のヒントがあります。
自分の得意や強みを無理なく発揮できる環境こそ、長く続けられる仕事になります。
「好き」に縛られすぎず、「自分にとって心地いい仕事」を探す視点をぜひ大切にしてみてくださいね。
💡 わたしは「お金を稼ぐために働く」ということを肯定的に捉えています。仕事にやりがたいを求めなくても良い理由を「マズローの欲求5段階説」を使って解説していますので、良かったらこちらの記事も参考にしてください。

