このままでいいのかな?
自分に向いている仕事って何だろう?
そんな風に思いながら、なんとなく今の仕事を続けていませんか?
キャリアに悩む30代の女性の多くが、「やりたいことがわからない」という壁にぶつかります。
でも、焦らなくても大丈夫です。
この記事では、「やりたくないこと」からキャリアのヒントを見つける方法をご紹介します。
それは、遠回りに見えて、実はとても現実的で効果的な第一歩になります。
「やりたいことがわからない」とキャリアに悩んでいるあなたが、今後のキャリアの方向性を見出すためのきっかけになれば嬉しいです。

実は、“やりたいこと”をゼロから見つけるのはとても難しいのです。
「やりたいことがわからない」その原因とは?
「このままの働き方でいいのかな」と感じているのに、じゃあ“本当にやりたいこと”は何かと聞かれると、答えられなくなってしまう…
そんなことはありませんか?
真面目で責任感の強い人ほど、
ちゃんとやりたいことを見つけなきゃ…
と自分を追い詰めてしまいがちです。
まずは、「やりたいことがわからない」原因のうち、代表的なもの8つをご紹介します。
あなた自身に当てはまるものがないか、探すつもりで以下の原因を読み進めてみてください。
やりたいことがわからない原因①|忙しすぎて、考える余裕がない


毎日の仕事や家事、生活に追われて、立ち止まって自分の気持ちに向き合う時間がまったく取れないと、自然と「考えること」から遠ざかってしまいます。
特に30代は、責任のある仕事を任されたり、プライベートでも何かと忙しい時期です。
気づいたら、ただ目の前のことをこなすだけの毎日になっていませんか?
本当はどうしたいのか
何が好きか
に意識を向けるには、まずはあなた自身の生活や心の中に“余白”をつくることが必要です。
やりたいことがわからない原因②|視野が狭く、選択肢を知らない


今の職場での異動か転職か、というような狭い選択肢の中だけで考えていると、当然ながら「やりたいこと」なんて見えてきません。
この状態は、自分の世界が狭くなっていることに気づいていないことも多く、
何をやりたいか以前に、他にどんな働き方や生き方があるのかを知らない
という問題が根本にあります。
本やSNS、他の人のキャリアを知ることで、可能性に気づけることもあります。
やりたいことがわからない原因③|失敗が怖くて踏み出せない


やりたいことが見つかっても、失敗したらどうしよう…
という恐れから、無意識のうちにやりたいことを“探さないようにしている”こともあります。
特に、これまで堅実に生きてきた人ほど、「今さらリスクを取るなんて」と感じやすいものです。
けれど実際には、“やってみないと分からない”ことも多く、失敗を恐れるあまりに本当の自分の可能性に蓋をしているケースも少なくありません。
やりたいことがわからない原因④|他人の目を気にしすぎている


親や上司、パートナーなど、周囲の期待に応えようとするあまり、自分の気持ちが見えなくなってしまうこともあります。
安定した職に就くべき
◯歳でこうあるべき
という“正解”を無意識に求めるうちに、本音は置き去りなってしまいます。
やりたいことが見つからないのではなく、やりたいことを見つけても、それを自ら無視してしまう状態になっている場合もあります。
やりたいことがわからない原因⑤|自分のことをよく知らない


自分が何にワクワクするのか
どんなときに心地よさを感じるのか
を、そういった感覚を言語化したことがない人も多いです。
日々の忙しさの中で、「感じる」ことよりも「こなす」ことに意識が向いていると、知らず知らずのうち、自分の本音に気づけない状態になってしまいます。
まずは、自分自身の過去の経験や感情に目を向けることからスタートしてみましょう。
やりたいことがわからない原因⑥|完璧を求めすぎている


完璧を求めすぎていると、やりたいとことに気づいたとしても、行動に移すことができないことが多いです。
これこそが、わたしがやりたいこと!
一生かけて打ち込みたい!
といった“100点満点のやりたいこと”を求めすぎると、ちょっと気になることや興味のあることを無意識にスルーしてしまいます。
実際には、やりたいことの多くは最初は“60点”くらいの気づきから始まるものです。
「完璧じゃなくてもOK」というマインドに切り替えると、可能性の幅が一気に広がります。
やりたいことがわからない原因⑦|他人との比較ばかりしてしまう


SNSのキラキラした情報発信や活躍している友人のキャリアを見ていると、
あの人はすごいな…
それなのに、自分は何もない…
と感じてしまい、落ち込んでしまううことはありませんか?
人と比較することで焦りが生まれ、本当は自分にとって心地よい働き方や小さな喜びを見落としてしまうことがあります。
やりたいことを見つけるためには、自分のペースで考えることがとても大切です。
やりたいことがわからない原因⑧|「やりたいこと=特別な才能」と思い込んでいる


やりたいことというと、「他人には真似できない才能」や「天職」のようなものをイメージしていませんか?
もしかしたら、「やりたいこと=特別な才能」という思い込みが原因で、やりたいことが見つからないのかもしれません。
実際には、日常の中で「これ楽しいかも」「向いてるかも」と感じることが、やりたいことにつながっていくことがほとんどです。
「情熱」や「使命」といった強い言葉に縛られず、自分の中にある小さな好奇心に目を向けてみましょう。
「やりたくないこと」からわかる、あなたの大切な価値観
「やりたいことがわからない」と悩んでいる原因が特定できたなら、やりたいことがわからない状態を作っている、その根本原因を取り除くためのアクションも必要です。
一方で、「やりたいこと探し」に難しさや行き詰まりを感じているなら、解決策のひとつとして「やりたくないこと」から自分の価値観を探ってみる方法をお勧めします。
「やりたくないこと」をしっかりと言語化しておくと、そこらからキャリアのヒントを見つけることができるかもしれません。



一見すると遠回りに見えますが、あえて「逆を行く」というアプローチも、実はアリなんです
価値観を知るステップ①|まずは「やりたくないこと」を洗い出してみよう


やりたいことが思いつかないなら、まずは「やりたくないこと」から考えてみましょう。
たとえば、こんな視点で振り返ってみてください。
「これは嫌だった」と感じる要素を書き出してみると、自分の中にある“価値観の輪郭”が見えてきます。
やりたくないことの視点5つ
- 働き方の面で嫌だったこと
- 仕事内容として合わなかったこと
- 環境や条件として辛かったこと
- 人間関係に関すること
- 評価・報酬に関すること
やりたくないことの視点①|働き方の面で嫌だったこと
(よくある例)
- 月100時間の残業が体力的につらい
- 有給が取りづらく、常に仕事優先の空気
- 出世や昇進が免れないキャリアパス
やりたくないことの視点②|仕事内容として合わなかったこと
(よくある例)
- 単調なルーティン作業
- 対人ストレスの多い接客業
- 数字やノルマに追われる営業
やりたくないことの視点③|環境や条件として辛かったこと
(よくある例)
- 通勤に片道1時間以上かかる
- 有給が取りづらい
- シフト制で生活リズムが不規則になりがち
やりたくないことの視点④|人間関係に関すること
(よくある例)
- パワハラ気質の上司や感情的な指導
- チーム内のギスギスした雰囲気
- 常に誰かの顔色をうかがって仕事をする環境
やりたくないことの視点⑤|評価・報酬に関すること
(よくある例)
- 頑張っても正当に評価されない
- 給与が仕事内容に見合っていない
- 成果よりも上司の好き嫌いで判断される
価値観を知るステップ②|「やりたくないこと」を裏返してみよう
次に、ステップ①であなたが書きだした「やりたくないこと」を、1つずつ裏返してみましょう。
これまでの経験で感じたことの中に、自分が大切にしたいと思っている価値観が眠っている場合があります。
「やりたくないこと」を裏返したときに見えてくる価値観の代表的な例を10個ほどご紹介します。
大切にしたい価値観(例)
- 「ノルマがつらかった」→ 自分のペースで働きたい
- 「無駄な会議が多かった」→ 意味のある時間を大切にしたい
- 「上下関係が厳しすぎた」→ 対等でフラットな人間関係を望んでいる
- 「人と話すのがつらかった」→ ひとりで黙々と進める作業が向いている
- 「業務が単調すぎて退屈だった」→ 変化や工夫のある仕事がしたい
- 「ルールや承認が多くて自由がなかった」→ 自分の裁量で動きたい
- 「お金や売上ばかり追うのが苦痛だった」→ 人の役に立つ実感を持ちたい
- 「感情を押し殺して働くのがつらかった」→ 自分らしくいられる環境で働きたい
- 「評価されない・認められないのがつらかった」→ 正当に評価されたい
- 「チームや職場の雰囲気がギスギスしていた」→ 安心して過ごせる人間関係を重視したい
オンライン事務代行から分かった自分の価値観|わたしの実体験
この記事を書いているわたし自身も、「やりたくないこと」としっかり向き合ってきたことで、ようやく自分の価値観に気づけた一人です。
わたしがオンライン事務代行の副業や独立を通じて、自分の価値観を発見したときの経験をご紹介します。
会社員時代に感じていた「やりたくないこと」
もともとは、「安定した職場で長く働きたい」と思って、2つ目の職場として、大学職員を選びました。
大学職員として7年半勤めた後に事業会社でも2社経験をしましたが、その中で感じた「やりたくないこと」が大きく分けて4つあります。
わたしがやりたくなかったこと
- 分業化・細分化されすぎた仕事にやりがいを感じづらい
- 異動や転籍で上司が変わってしまい、仕事がしづらい
- 出世欲がない・出世したくない
- 評価が曖昧、評価されていると感じられない
わたしがやりたくなかったこと①|分業化・細分化されすぎた仕事にやりがいを感じづらい


すごく安直な考え方ですが、わたし自身、以前は安定した職場、大きな組織を選んで勤務先を選ぶ傾向がありました。
その結果、大きな仕事の細分化された「部分」しか任せてもらえないことが多かったように思います。
例えば、前職でいうと、約1,100名の保育従事職員の細菌検査(検便)を一人で管理していました。
保育園に通う園児の安全を担保するには、細菌検査(検便)が大切というのも一定理解しつつ、「部分的」すぎやしないかというモヤモヤも感じていました。
わたしがやりたくなかったこと②|異動や転籍で上司が変わってしまい、仕事がしづらい


大学職員は異動希望は出せましたが、希望が叶うことは少なかったです。
当然ですが、上司は選べず、尊敬できる上司は7年半で3人いましたが、それぞれ1年間しか一緒に働くことができませんでした。
その後、事業会社を2社経験していますが、1社目では直属の上司が謀反を起こして転籍し、その後、情報システム部に異動となり、自分のスキルに合っていないと感じました。
また、2社目でも、採用当時の上司が会社の都合で営業部に異動してしまい、新しく着任した上司との相性がすこぶる悪く、部署全員の前で叱責されたり電話で怒鳴られたりしたのが辛かったです。
わたしがやりたくなかったこと③|出世欲がない・出世したくない


仕事は好きでしたが、出世したいと思ったことがありませんでした。
大学が一番勤務歴の長い職場ですが、事務職員は全員がゼネラリストとして育てられており、それ以外の選択肢がないことに強い違和感を感じていました。
昇任試験を受けないという生き方もありましたが、そのような働き方を選んでいる人で、尊敬できる人もほとんどいなかったように思います。
わたしがやりたくなかったこと④|評価が曖昧、評価されていると感じられない


責任をもって仕事をしていたので、それ相応の評価もしてほしいと感じていました。
ですが、大学職員・事業会社を含めて、適切に評価されていると感じることがありませんでした。
評価制度自体の曖昧さが原因の場合もありますし、現場の職員からは感謝されても、上司との相性が悪いために評価されにくいという面もありました。
オンライン事務代行の副業・フリーランスになって気づいたこと
2021年に、わたしは副業でオンライン事務代行の仕事を始めました。
最初は小さな業務からでしたが、少しずつ実績を重ねるうちに、個人事業主やベンチャー企業の方々のサポートを任せていただけるようになりました。
やっている仕事内容は会社の仕事と大きく変わりませんが、副業・フリーランスの経験を通じて「やりたくなかったこと」を避けてお仕事をすることができたと感じています。
わたしのやりたいこと①|仕事の意味ややりがいがダイレクトにわかる


個人事業主やベンチャー企業のお仕事をさせていただくと、クライアントはどんな事業内容をしていて、クライアントのお客様はどんな人たちなのか、そういった周辺情報より鮮明に理解して事務作業に関わる必要があります。
より全体を見て事務作業をする必要があったり、時に柔軟な対応を求められる場面もありますが、「意味のわからない単純作業をさせられている」という感覚はほとんどなくなりました。
わたしのやりたいこと②|誰と一緒に働くかを選ぶことができる


個人事業主やベンチャー企業のお仕事をさせていただくと、依頼主が変わるときは、どちらかが契約終了の申し出をするときになるでしょう。
一次請けであれば、どんな相手と契約をするかは、自分の意思で決めることができます。
契約前に必ず面談をするので、その時に相性が悪いと感じたら、お断りすることができます。
わたしのやりたいこと③|マイペースで仕事に集中できる


副業でオンライン事務代行を経験して、そのまま会社を辞めてフリーランスになりましたが、「出世」という概念から解き放たれて、すごくすっきりしています。
マネジメントをしたくないので、クライアントにも「マネジメント業務NG」とはっきり伝えたうえで、意向を尊重した業務委託の仕事の割り振りをしてもらっています。
仕事内容は事務のままで、出世しないでも稼ぎ続ける方法を、自分の頭で考えて行動するというスタンスがあっているように思います。
わたしのやりたいこと④|仕事の評価がダイレクトに返ってくる


自分が前面に立って契約するので、良くも悪くも自分の評価がダイレクトに返ってくることが新鮮でした。
お客様から感謝の言葉をいただけると同時に、お役に立てなければ、次月の契約を打ち切られてしまい、売上の面でもメンタル面でもつらいと感じることもありました。
ただ、「評価が曖昧」でもやもやしたまま過ごした期間、上司との相性が悪く評価が得られなかったときよりも、はっきりと評価がわかるほうが自分には合っているなと感じました。
💡 オンライン事務代行の副業に興味を持った方のために、どんな仕事内容か、働き方なども詳しく解説しています。副業から始めてみたいという方には、こちらの記事がお勧めです。


あなたの中にある小さな「やりたいこと」に気づけるようになる
すべての人に、いきなり“情熱を注げる仕事”が見つかるわけではないと、わたしは思っています。
でも、「やりたくないこと」を明確にすれば、良い意味で自分の選択肢が絞られていきます。
その中から、
これなら試してみたい…!
やってみたら案外楽しかった…!
という小さな“やりたい”の芽が見つかることもあります。
「やりたいこと」=「人生の目的」や「使命」のように大きく考えすぎなくでOKです。
「ちょっと気になる」「嫌じゃないかも」程度でも十分です。
そういった小さな気づきや感覚こそが、キャリアを動かす原動力になっていきます。
💡 「好きなことを仕事にする」という風潮に違和感がある方は、「嫌じゃないこと」を仕事にすることをお勧めしています。こちらの記事で詳しく解説していますので、良かったら参考にしてください。


💡 「オンライン事務代行についてもっと知りたい」という方には、実践的な内容が詰まっている書籍をお勧めします。レビュー記事でご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。


「やりたいこと」は、嫌なことを手放した先に見えてくる(まとめ)
やりたいことがわからない時期は、誰にでもあります。
だからこそ、自分を責めずに、まずは「やりたくないこと」を書き出すことから始めてみましょう。
これはもうやりたくない
自分の感情に素直になるだけで、あなたの価値観や働き方の軸が、少しずつ見えてきます。
やりたくないことを手放すことは、わがままでも何でもありません。
自分が少しでもラクでいられる選択をしていきましょう。
現実がいきなり大きく変わるような、派手なやり方ではないかもしれませんが、「自分がラクでいられる」そんな選択を積み重ねていく中で、
これがわたしのやりたいことだったのかもしれない…
そんなふうに思える瞬間が、きっと訪れるはずです。
💡あなたが今の仕事にやりがいを感じらずに悩んでいるなら、こちらの記事がお勧めです。「偶然」をうまく使って、自分のキャリアを切り拓いていく「計画的偶発性理論」が参考になると思います。


💡 やりたいことがわからない場合にも、自分の価値観を明確にすることはできます。仕事の中で大切にしたい価値観をまとめた「14の価値」という考え方をご紹介していますので、こちらの記事を参考にしてみてください。

