事務職がITパスポートを取っても意味がない?取得して感じたメリット

あなたが今ITパスポート受験を考えているなら、

  • ITパスポートを取得すると何に役に立つのか
  • ITパスポートは勉強する意味がある資格なのか

というのは、勉強を始める前に知っておきたいですよね。

ITパスポートは役に立たない資格

ITパスポートは取得しても意味ない

という話を聞いたことがありませんか?

この記事では、

  • ITパスポートは意味ないと言われる理由は?
  • ITパスポートを実際に取得してみてよかったことは?

といった内容を中心に、実際にITパスポートを取得したわたし(事務職・文系・IT苦手)の意見をご紹介します。

ITパスポート受験を考えている事務職の方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

りか

わたし自身は、20代の時にITパスポートを取得して良かったと思っています。

目次

この記事を書いている人のスペック

この記事を書いている人はどんな人か、ITに関する知識やスキルを中心にお伝えします。

  • 15年前、新卒4年目でITパスポートを取得済み
  • 地方国立大学の文学部出身
  • 文学部出身ということから、当時はIT分野への苦手意識があった
  • 学生時代には卒論やアルバイト等でWord、Excelを少し触っていた程度
  • 20代の頃にMOS(Word、Excel、Access)等を取得済み
  • 会社員時代に、オンライン事務代行の副業を1年半経験
  • 現在は事務経験16年目、フリーランス3年目(2021年01月開業)

「ITパスポートは意味ない」という人もいるが、事務職には役に立つ!

ITパスポートの必要性を説明する事務職女性

文系・事務職でITパスポートを取得した立場の意見としては、「ITパスポートが意味ない」ということは決してないと思っています。

わたし自身は事務職で、20代の頃に事務系の資格を複数取得してきましたが、これまでに取得した資格の中では、一番汎用性が高い資格であると感じています。

エンジニア職の方から見ると

ITパスポートは簡単すぎるし、ITとは関係ない問題も多く、意味ない・役に立たない

という意見を持っている人も多いです。

しかし、ITのことを全然分かっていない立場からすると、基礎の基礎からITのことを学ぶことができ、ITとは少し異なるマネジメントや経営戦略のことなど、周辺的な知識も身に付けることができます。

何も分からない状態から、ITの基礎的な知識を学びたい

このような動機・目的を持ってITパスポートの資格を取得するのであれば、「ITパスポートは意味ない」なんてことはないと思います。

ITパスポートを取得しても意味ない人の具体例

システムエンジニア(男性)

ITパスポートを取得しても意味ない人は、すでに「ITの基礎知識がある人」です。

ITの基礎知識がある人とは?

  • エンジニア職で開発や運用・保守などの専門知識を持っており、ITパスポートよりも上位の資格が求められる職種の方
  • 情報システム室などで、仕事で既にIT関係の業務に従事している方
  • 趣味でパソコンやサーバー等に触れており、既にITについて知識のある方

ITパスポートは「ITの基礎の基礎を知っていることを証明する資格」です。

それを証明しても何のメリットもない人にとっては、「ITパスポートは意味がない」と言えるでしょう。

ITパスポートでは物足りない、もっと詳しくITの知識を学びたいと思っているのであれば、ITパスポートの上位資格である「基本情報技術者試験」や「情報セキュリティマネジメント試験」等を目指しましょう。

ITパスポートを取得する意味がある人の具体例(事務職)

では、逆に「ITパスポートを取得する意味がある人」は、具体的にどのような人でしょうか?

それは、ITに関わったことのない、IT初心者の人です。

IT初心者とは?

  • 文系学部出身の方
  • これまでITに関わったことがない事務系の職種の方
  • パソコンやスマホ等に疎く、IT分野に苦手意識のある方

特に「IT分野に苦手意識のある方」はITパスポートを勉強することで、苦手意識の克服にも繋がります。

知識だけでなく、マインド面でもITパスポートの取得を特におすすめします。

りか

わたしも、ITパスポートの勉強を始めた当時は、文系・事務・IT苦手の3つがすべて揃っていました…💦

「ITパスポートは意味ない・役に立たない」と言われる理由3つ

なぜ「ITパスポートは意味ない」「ITパスポートは役に立たない」と言われるのでしょうか?

それには、主に3つ理由が考えられます。一般的な意見を見ていきましょう。

ITパスポートが役に立たないと言われる理由

  • 就職や転職に直結するわけではない
  • 合格率が高く希少価値がない
  • 実践的な資格ではない

就職や転職に直結するわけではない

転職活動で資格が活かせずに悩んでいる女性

「ITパスポートは意味ない」と言われる理由の1つ目は、ITパスポートを取得しても

  • システムエンジニアとして転職できる
  • IT企業への就職が有利になる

といった、直接的なメリットが得にくいためです。

ITパスポートは、ITの基礎の基礎を学ぶことができる資格です。

つまり、エンジニアやIT関連の企業であれば「知っていて当たり前」のことばかりなのです。

知っていてあたりまえのことなので、就職や転職などに直結するようなアピール材料にはなりません。

ITパスポートを持っていてもIT企業やエンジニア転職などの有利にはならないため、「ITパスポートは意味がない」と言われる傾向にあるのではないでしょうか。

合格率が高く希少価値がない

「ITパスポートは意味ない」と言われる理由の2つ目は、合格率が高くITパスポート取得に希少価値がないからです。

ITパスポートの合格率は約50%です。(令和5年4月~令和6年3月)

一般的に「資格」というものは、合格率が低いと資格保有者は少なくなり、希少価値があるため、重宝されます。

しかしITパスポートは、2人に1人が受かる試験であり、希少価値があるとは言えません

そのため、ITパスポートは役に立たないと言われる傾向にあるのではないでしょうか。

希少価値で考えず、自分にとって役立つかを考えることが重要です。

実践的な資格ではない

ITパスポートの試験問題

「ITパスポートは意味ない」と言われる理由の3つめは、「実践的な資格ではない」からです。

ITパスポートを取得しても、それを実践で生かせる場面は仕事上では少ないと言えます。

例えば、「簿記3級」は経理の基礎知識ですが、「簿記3級」を持っていれば、最低限「仕訳ができる」と言えます。

ITパスポートは、簿記に比べると業務への活かし方が明確ではありません。

ITパスポートの試験問題は、「用語の意味を問う」といった類の出題が多く、事例の問題は多くありません。

そういった観点で、実践で活かし方が明確ではないと言われてしまうのが現状です。

ITパスポートを取得してよかったと感じた場面3つ(事務職の体験談)

ここまで、「ITパスポートは意味ない」と言われる理由をご紹介してきました。

ですが、冒頭で説明したとおり、わたし自身は「ITパスポートを取得してよかった」と感じています

ここからは、わたし自身がITパスポートを取得してよかったと感じた理由をご紹介します。

りか

あなたにとって「ITパスポートを取得するメリットがあるのか?」を考えるときに、参考にしてもらえると嬉しいです。

ITパスポートを取得してよかったと感じた場面

  • 事務職の中でITリテラシーが高いと評価された
  • ITへの苦手意識克服が副業の推進力になった
  • 用語や事業内容を理解して事務を進めることができた

事務職の中でITリテラシーが高いと評価された

保育園の本社で働く女性

「ITパスポートを取得してよかった」と感じた1つ目は、会社員時代に、社内でITリテラシーが高いと評価されていたことです。

わたしが前職で勤めていた会社は、認可保育園を運営している事業会社でしたが、保育従事職員だけでなく、本社に勤務している総合職も含めて、全体的にITリテラシーが低い社員が多かったです。

わたしは、保育園を運営する事業部に所属していたのですが、事業部の中では、相対的にITリテラシーが高く、上司や同僚から頼りにされることが多かったです。

保育事業でも、新しいアプリケーションを導入したり、パソコン対応が必要な業務が多くあるため、保育園からのIT関係のお困りごとで問い合わせを受けることも多くありました。

自身で対応しきれない場合には情報システム室に取り次ぐ、アプリケーションのサポートに問い合わせるべきなのか等、日常的に課題の切り分けを行っていました。

また、保育園に新しいシステムやアプリケーションを導入する際には、導入を推進する立場になることがほとんどでした。

りか

事業内容がITから離れた職種・業界であると、ITパスポートを持っていることが、わりとダイレクトに自身の評価に繋がる可能性があります。

ITへの苦手意識克服が副業の推進力になった

オンライン事務代行の副業に燃えている女性

「ITパスポートを取得してよかった」と感じた2つ目の理由は、会社員時代にオンライン事務代行をしていた時に、未知のツールに抵抗を全く感じなかった点です。

ITパスポートの知識が実践に直接活かされることは少ないものの、

副業で感じたメリット

  • アプリケーションの基本的な仕組みを理解しやすくなる
  • ITへの苦手意識を克服できるので、新しいアプリケーションに対して抵抗がなくなる

といったメリットを得られたと感じています。

オンライン事務代行では、クライアントの依頼で今までに自身が触ったことのないアプリケーションの操作を依頼されることが日常的にあります。

また、クライアントとのコミュニケーションも、chatwork、Slack、LINE等の中から、相手が指定したアプリケーションを使うことが多いです。

もちろん、一般的に普及しているアプリケーションであれば、これまでに使ったことがないものを依頼されても、Google検索で使い方を調べながら、使いこなすことが出来ています。

りか

使用経験のないアプリケーションはに抵抗感がないという状態が、クライアントワークを円滑に進める上で必要なスキルだと思います。

用語や事業内容を理解して事務を進めることができた

IT関連の書類を作っているオンライン事務代行の女性

3つ目は、フリーランスになってからの経験です。

IT系の人材サービス業の営業事務をしているのですが、見積書や契約書を作るときに、システム関連の専門用語を見かけることが多いです。

システム関連用語(具体例)

  • 要件定義、基本設計、詳細設計
  • システムテスト、結合テスト、単体テスト
  • 開発、保守・運用

システム開発のどういった場面を指すのか、言葉の意味を一定理解した上で書類を作成したり、契約事務を進めることが出来ています。

もし、ITパスポートを取得していなかったら、業務のインプットに時間がかかっていたのではないかと思います。

また、別の企業案件では、システム開発やITコンサルの業態に関する経理事務をしています。

経理事務を進める上でも、システム開発の工程を理解していることが、事業理解の助けになり、適切な仕訳を作成する上での前提知識として、ITパスポートで学んだことが活かされています。

りか

営業事務も経理事務も、ITに関する基礎知識があると事業理解がしやすく、自身の業務もスムーズに取り組めると感じています。

ITパスポートは意味ないのか?文系・事務職などに役立つ(まとめ)

ITパスポートの取得を進める事務職女性

ITパスポートは万人にとって、「意味がある」「役に立つ」とは言えない資格かもしれません。

そのため、もちろん「ITパスポートは意味ない」という意見を持っている人も一定数います。

しかし、IT初心者やITから遠い企業や職種の人にとっては、「ITパスポートは役に立つ」と言えます。

事務職であっても、基礎的なITの知識が要求される時代になっています。

事務職であっても「ITが強い人材」が求められますし、時代とともに「分かってあたりまえ」になってくることでしょう。

会社員として、自身のビジネススキルの底上げをする上では、簿記3級と同じくらい、ITパスポートの取得をお勧めしたいです。

文系出身でITに苦手意識のある方は、ぜひ「ITパスポート」でITの基礎知識を学びましょう。

りか

副業を経験する中で「ITパスポートを取得していると有利」とは思いましたが、副業を始めるためにわざわざITパスポートを取得するのはおすすめしません。

💡 副業を始めるにあたり資格を取るべきか迷っている方は、こちらの記事を参考にしてみてください。資格はあった方が有利ですが、資格がなくても副業を始めることはできます。

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この記事を書いた人

【「副業事務のはじめ方」の主宰/コーチ】事務歴16年。国家資格キャリアコンサルタント。2021年からオンライン事務代行を副業でスタートし、2022年にオンライン事務代行として独立しました。2024年からは、事務職女性の副業サポートやキャリア支援にも従事しています。

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