もっと評価されたいのに、誰も見てくれていない気がする
頑張っても周囲の反応が薄くて、やる気が出ない
そんなふうに、承認欲求がつらいと感じていませんか?
承認欲求が「つらい」と感じるのは、真面目に頑張っている証拠です。
特に事務職のように、裏方として全体を支える仕事では、日々努力していても、目に見える成果が出にくいものです。
「この業務がなかったら会社が回らない」と分かっていても、他人からの評価がなければ、虚しくなってしまうのは当然です。
でも実は、「誰かに認めてもらいたい」という気持ちそのものは、決して悪いことではありません。
この記事では、承認欲求との付き合い方を見直すことで、仕事のモチベーションを“他人任せ”にしないヒントをお届けします。
承認欲求とは?「つらい」と感じる前に、まずは仕組みを理解しよう

引用:https://theconsul.jp/blog/1223/
まず最初に、「承認欲求」について簡単に整理しましょう。
「承認欲求」は、心理学者マズローの「欲求5段階説」に登場する、人間の基本的な欲求のひとつです。
上から2番目に「承認欲求」があり、「他者から認められたい・評価されたい」という気持ちを指します。
この欲求は、自己肯定感や社会的つながりを育む上でも大切な役割を果たします。
たとえば、
上司に褒められてうれしかった
SNSで反応が多くて、自信がついた
ありがとうと言ってもらえて、報われた気がした…!
こんな経験は、モチベーションを高める良い効果を生み出します。
つまり、承認欲求=悪いものではなく、むしろ自然で大切な感情なのです。
💡 心理学者マズローの「欲求5段階説」とキャリアの関係をこちらの記事で詳しく解説しています。気になった人は、こちらの記事も参考にしてみてください。

承認欲求が「つらい」ものに変わる瞬間とは?
次に、承認欲求が「つらい」と感じるのはどんな時なのかを考えてみましょう。
承認欲求が問題になるのは、他者から「認められたい」という気持ちが強くなりすぎてしまったときです。
たとえば、以下のような経験に心当たりはありませんか?
「承認欲求がつらい」と感じる瞬間
- 上司に評価されないと、不安になる・やる気がなくなる
- 同僚と比べて劣っていると感じ、落ち込む
- SNSの「いいね」や反応が少ないだけで気分が沈む
- 人にどう思われるかが気になって、言いたいことが言えない
このような状態になると、「評価されるために働く」という他人軸で生きていることになります。
その結果、他人から承認や評価が得られないと、一気にモチベーションが下がってしまいます。
つまり、他人の評価がモチベーションのすべてになっている状態こそが、「承認欲求がつらい」と感じる最大の原因なのです。
「認められるために頑張る」ことの落とし穴
わたしたちは子どもの頃から「頑張ったら褒められる」「正解すれば評価される」といった評価基準で育ってきました。
学校や職場でも、「成果を出せば評価される」のは一つの仕組みとして機能しています。
しかし、社会に出てからは、仕事の結果が必ずしもすぐに評価されるとは限りません。
特に、バックオフィスのような裏方の仕事やコツコツした作業は、承認されにくい構造になっています。
バックオフィス業務の特徴
- 仕事の成果が売上や利益に直結しづらい
- 周囲から「やって当たり前」と思われがち
- 間違いやミスが指摘される「減点方式」
- 定量的な評価がしづらい業務が多い
このギャップに苦しみ、「どうして自分だけ報われないの?」と感じてしまう方も多いのです。
ここで忘れてはいけないのは、「評価されないこと=その仕事に価値がない」わけではないということです。
目に見える形での承認が得られなくても、あなたの仕事には確かに意味があり、誰かを支えていたり、社会の役に立っているということです。
仕事のモチベーションを「自分軸」を保つ4つの方法
では、他人からの承認がなくても、自分でモチベーションを維持するにはどうしたらよいのでしょうか?
ここでは、承認欲求に振り回されずに働くための4つの方法をご紹介します。
「自分軸」で保つ4つの方法
- 「誰かに見られていない時」の働き方を大事にする
- 「今週のわたし、これ頑張った!」を自分に言ってあげる
- 「どう見られるか」より「どう在りたいか」を意識する
- 仕事の「意味」を自分なりに見つける
自分軸を保つ方法①|「誰かに見られていない時」の働き方を大事にする

誰にも評価されない場面でも、手を抜かずに取り組む姿勢を大切にしてみましょう。
たとえば…
- 書類のレイアウトを丁寧に整える
- 丁寧なメール対応を心がける
- 書類ファイルの並び順を少し工夫する
これらは些細なことですが、「自分はちゃんとやった」という実感が残り、自己肯定感を育てます。
自分軸を保つ方法②|「今週のわたし、これ頑張った!」を自分に言ってあげる

週に1回、自分の頑張りを記録する時間を作ってみてください。
誰かに褒めてもらう前に、自分で自分を承認する習慣です。
- 締切を守った
- 苦手な業務に手をつけた
- 疲れていたけど笑顔で対応できた
他人が気づかない努力でも、自分が認めてあげれば、それで十分です。
「自己承認」は、他人承認よりも強いモチベーション源になることもあります。
自分軸を保つ方法③|「どう見られるか」より「どう在りたいか」を意識する

他人の視線を気にする代わりに、自分自身に問いかけてみましょう。
- 自分はどんな働き方をしたい?
- どんなときに「自分らしい」と思える?
- どんな仕事にやりがいを感じる?
このような「自分軸」で物事を見るクセをつけると、周囲に振り回されることが減っていきます。
承認されることは副産物ととらえて、自分が納得できる生き方・働き方を選んでいきましょう。
自分軸を保つ方法④|仕事の「意味」を自分なりに見つける

どんな仕事にも、誰かを支えている側面があります。
たとえば、日報を整理することが、現場の判断を助けたり、備品を整えることで、誰かが気持ちよく仕事を始められりすることがあります。
目に見える成果や派手な実績がなくても、「この仕事には、こういう意味がある」と自分で定義できることが、ブレないモチベーションにつながります。
仕事の「意味」を見つけたいと思ったときは、あなた自身に向けて、こんな問いかけをしてみましょう。
- この仕事は、誰の役に立っている?
- この業務がなかったら、何が困る?
- 自分がこの仕事をするうえで、大事にしたいことは何?
仕事の意味を外から与えられるのではなく、自分で意味づけできるようになると、周囲の評価が揺らいでも、モチベーションは保ちやすくなります。
💡 自分がどんなことにやりがいを感じられるのか、振り返る時間を作ってみることも大事です。仕事に求める「14の価値」というキャリア理論がわかりやすく参考になりますので、ぜひこちらの記事もご覧ください。

「つらい」と感じたら、自分をいたわるタイミングかもしれない
承認欲求に疲れ、「つらい」と感じたら、それはあなたが懸命に頑張ってきた証です。
その結果、あなたの心が張りつめた状態になっているかもしれません。
そんな時は、
- SNSや評価が気になる場面から少し離れてみる
- 信頼できる人に正直な気持ちを話してみる
- 自分を責めるのではなく、少し甘やかしてみる
といった、あなた自身の“心のメンテナンス”をしてみてください。

承認されないことに傷ついた自分に優しく接することも、立派な自己承認のひとつです。
💡まじめで頑張り屋さんなあなたのために、「心が軽くなる生き方のヒント」を5つご紹介しています。こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。


「認められたい」は自然な感情、でもそれだけが目的じゃない(まとめ)


承認欲求は、人間にとってごく自然な感情です。
だからこそ、それに振り回されて苦しくなってしまうのは、とてもつらいことです。
「認められたい」という気持ちを、あなたが努力している証として大切にしましょう。
それと同時に、「認められたい」という気持ちだけに依存しない働き方や生き方を意識してみてください。
モチベーションの源泉を自分の中に持つことで、今よりももっと自由に、自分らしく、気持ちよく働けるようになります。
💡 仕事を頑張っているのに「評価されなくてつらい」と感じたら、こちらの記事もお勧めです。評価されない理由と対策を詳しく解説しているので、参考になれば幸いです。

