個人事業主の家計管理は必要?会計ソフトと家計簿アプリで管理しよう

副業を始めて、いろいろなことを見聞きするうちに、会計ソフトが必要ということは何となく理解しているという人も多いでしょう。

開業届を提出したら、会計ソフトを導入しなくちゃ…

その考え方で合っています。

ですが、わたしは副業をしている会社員や特にこれからフリーランスを目指している方には、会計ソフトの導入だけでなく、家計簿アプリでの家計管理もお勧めしたいです。

この記事では、副業やフリーランスの方のために、個人事業主が“家計管理”が必要な理由と、わたしの実体験も踏まえた会計ソフトや家計簿アプリの活用方法もご紹介します。

もし、あなたがお金の管理方法がまだ確立できていないなら、この記事をきっかけに家計も含めたお金の「見える化」に取り組んでもらえると嬉しいです。

目次

そもそも論|個人事業主に「家計管理」って必要?

個人事業主は、事業のお金も生活のお金も、すべて「自分の財布」で管理します。
 
個人事業主という場合に、副業か本業かは関係がありません。
 
(副業は、生活費に「給与」が入ってくるという違いがあります)
 
副業をしているあなたなら、既に経験しているかもしれませんが、事業のお金と生活のお金の境目は非常にあいまいです。

個人事業主の場合は、良くも悪くも、

プライベートで赤字が出た → 事業資金を取り崩す

事業が赤字になった → 生活費が足りなくなる or 生活費から補填する

ということが起こりがちです。

だからこそ、 事業のお金だけでなく、生活費も含めたお金の流れを“全部”見えるようにしておくことが必要です。

わたしが副業に家計管理をお勧めする理由2つ

わたしは、副業をしている会社員のあなたにも家計管理をお勧めします。

副業にも家計管理をお勧めする理由は主に2つあります。

家計管理を勧める理由

  • 副業と家計のトータルでの収支管理が必要だから
  • 独立のためには貯金したほうが良いから

家計管理を勧める理由①|副業と家計のトータルでの収支管理が必要だから

副業で稼ぐことができても、稼いだ以上に事業費や生活費が増えてしまったら、トータルでの収支がマイナスになってしまいます。

わたしの場合、副業で「稼げている」という自信から、気が大きくなり、副業で得た利益よりも多く生活費を支出してしまった経験があります。
 
副業で成果を出しているのに、結果、家計が赤字になるということも十分に起こりえます

家計管理を勧める理由②|独立のために貯金したほうが良いから

フリーランスを目指す人には特に心得て欲しいのですが、本業を辞める前にある程度の貯金を作っておいた方が良いです。
 
そして、貯金をするなら支出の見直しがほぼ必須です。
 
あくまで一般論ですが、貯金をするためには「稼ぐ力」を身につけるよりも、固定費の見直しをした方が早く成果を出せます。

りか

わたしはもともと貯金が苦手なので、独立に向けて、家計簿アプリで家計の収支を把握するところから始めました。

会計ソフトでは「事業のお金」しか見えない

開業届を提出したら、確定申告に向けて会計ソフトを導入したほうが良いです。

もちろん、freee会計やマネーフォワード確定申告などのクラウド会計ソフトを使えば事業のお金はしっかり記録できます。
 
売上、経費、帳簿、確定申告……
 
これらの手続きは、会計ソフトがあれば万全です。


  
ですが、これらの項目は、当然のことながら会計ソフトの管理対象にはなりません。

会計ソフトの管理対象にならないもの

  • 本業の給与や賞与
  • 家賃や食費、日用品などの生活費
  • 家族とのレジャー
  • 医療費

つまり、会計ソフトを導入しただけの状態だと…

事業のキャッシュフローは見えているのに、家計の動きはブラックボックス

という状態になってしまうのです。

その結果として、

副業でしっかり稼いでいるのに、家計が赤字になってしまった…

なぜかお金がたまらない…

といったことも十分に起こり得ます。

家計簿アプリを使えば、自分のお財布の“全体像”がつかめる

そこで、会計ソフトの導入とセットで家計簿アプリも導入することをお勧めします。

家計簿アプリを使えば、

  • 銀行口座の入出金
  • クレジットカード
  • 現金の動き

これらがひと目で見えるようになります。

家計簿アプリの使い方によって、2つの方法で管理することができます。

家計と事業の管理方法

  • 1つの家計簿アプリで「家計+事業」をまとめて管理
  • 家計と事業を別アプリでしっかり分離管理

管理方法①|1つの家計簿アプリで「家計+事業」をまとめて管理

  • 食費・光熱費・通信費 → 家計カテゴリ
  • サブスクや備品など → 事業カテゴリ

事業用に新しい科目を作ったり、タグやメモを使って「これは経費」「これは生活費」と分類したりして、家計簿アプリを使って全体の収支を管理することができます。

全体を見渡せることで、「家計と事業、合わせて今月いくら使っているか?」がリアルに把握できます。

管理方法②|家計と事業を別アプリでしっかり分離管理

  • 会計ソフトで事業のお金を管理
  • 家計簿アプリで生活費・貯金・家族支出などを管理

こちらは、家計と事業のお金の動きをしっかりと切り分けて把握したい人におすすめです。

freee会計とマネーフォワード確定申告のスタンスの違いとは?

個人事業主が会計ソフトを選ぶとき、よく比較されるのが「freee会計」「マネーフォワードクラウド会計」の2つです。
 
どちらも優れたツールですが、設計思想(スタンス)に大きな違いがあります。
 
どちらが良い・悪いではなく、自分のスタイルや感覚に合った方法で、“継続できる管理法”を選びましょう。

個人事業主の主要会計ソフト

  • マネーフォワード確定申告|家計も事業もまとめて見たい人向け
  • freee会計|経理業務をアプリ内で完結したい人向け

マネーフォワード確定申告|家計も事業もまとめて見たい人向け

【管理方法①】1つの家計簿アプリで「家計+事業」をまとめて管理するパターンには、マネーフォワード確定申告が向いています。

  • 家計簿アプリ「マネーフォワードME」とスムーズに連携
  • 銀行・カード・ポイントなど金融データの自動連携に非常に強い

freee会計|経理業務をアプリ内で完結したい人向け

【管理方法②】家計と事業のお金の動きをしっかりと切り分けて把握したい人には、freee会計が向いています。

  • スマホやクラウドに最適化された設計で、freee内で全作業を完結させるスタイル
  • レシート読み取りやスマホでの入力に強く、初心者でも直感的に使いやすい
  • 他の家計簿アプリとの連携は少なめ

家計管理と会計ソフトはどうしているのか|わたしの実体験

あくまでケーススタディとして、わたしの家計管理と会計ソフトについて、簡単にご紹介します。
 
わたしは、副業時代から独立後まで

  • 会計ソフト:マネーフォワード確定申告
  • 家計簿アプリ:マネーフォワードME

この2つの組み合わせで、事業のお金と家計の両方を管理しています。

家計簿アプリの活用方法

  • マネーフォワードMEでの全体の収支管理
  • マネーフォワードMEを使った残高管理

わたしの実体験①|マネーフォワードMEでの全体の収支管理

マネーフォワード確定申告に登録した金融機関は、家計簿アプリのマネーフォワードMEにも自動で連携される仕組みです。

このため、銀行の入出金やクレジットカードの支出が、会計ソフトにも家計簿アプリにも、それぞれ同時反映されるため、現金以外の記帳の手間が省けてとても便利です。

ただし、家計簿アプリのマネーフォワードMEでは、事業費を勘定科目で管理することはできないため、家計簿アプリの中では、あくまで家計管理の科目の一つとして事業経費を作って管理しています。

(支出)

  • 食費
  • 日用品
  • 住宅
  • 健康・医療
  • 衣服・美容
  • 交際費
  • 税金
  • 事業経費

(収入)

  • 給与
  • 事業・副業
  • クレジットカード返金処理

わたしの実体験②|マネーフォワードMEを使った残高管理

家計管理以外の目的として、家計簿アプリでは各講座の残高管理や入出金の履歴管理をしています。

副業やフリーランスのお金の管理方法として、事業用と生活用で銀行口座やクレジットカードを分けて管理することを推奨しています。

その結果、管理する対象が増えてしまうのですが、家計簿アプリに金融機関をすべて連携しておけば、残高や履歴を一元管理することができます。

マネーフォワードMEに連携している金融機関

  • 事業用の銀行口座(個人事業)
  • 事業用のクレジットカード(個人事業)
  • 生活費の銀行口座
  • 生活費のクレジットカード
  • 生活防衛資金の銀行口座
  • ゆとり資金の銀行口座
  • 口座振替専用口座(所得税・消費税の納税用)
  • 証券口座
  • お財布の現金残高

💡 副業を始めたら、プライベートと事業用で銀行口座とクレジットカードは別に作っておくことをお勧めしています。こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

家計簿アプリでお金を「見える化」しよう(まとめ)

わたしが個人事業主に家計管理が必要だと思う理由は、主に3つです。

個人事業主に家計管理が必要な理由

  • 個人事業主には、事業のお金と家計管理が切り離せない側面がある
  • 副業で「稼ぐ」に気を取られてばかりいると、支出の増大に意識が向かなくなり、結果的に、トータルで家計の収支が赤字になるリスクがある
  • 「これからフリーランスとして活動していきたい」という思いがあるなら、支出を減らす工夫や貯金にお金を回すことも必要

あなたの家計と事業のお金は、今どんな状態ですか?
 
まだ開業届を出していないなら、EXCELで事業の収支を管理するのも良いですが、月数百円~の課金で家計簿アプリを使ってみるのもひとつの方法です。
 
家計簿アプリの中に、事業用の支出と収入の科目を作ってしまえば、ご自身の家計管理の一部として、簡易的に事業の収支を管理することもできます。

最初は少し大変かもしれませんが、家計簿アプリを入れてみることで、今日から家計の“見える化”を始めてみましょう。

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この記事を書いた人

【「副業事務のはじめ方」の主宰/コーチ】事務歴16年。国家資格キャリアコンサルタント。2021年からオンライン事務代行を副業でスタートし、2022年にオンライン事務代行として独立しました。2024年からは、事務職女性の副業サポートやキャリア支援にも従事しています。

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