AIのせいで、事務職ってなくなるのかな…
そんな不安を抱えている方は少なくないと思います。
実際、最近では「今後10年でなくなる職業」の中に“事務職”がランクインしている記事もよく見かけます。
かつては企業に欠かせない存在だった事務スタッフも、デジタル技術の進化とともに役割が変わりつつあります。
では、これからの時代、本当に事務の仕事はなくなってしまうのでしょうか?
そして、もし事務職を続けたいと思うなら、どんなスキルや考え方が必要になるのでしょうか?
この記事では、「AI時代における事務職の現実」と「これからの生き残り戦略」について、わかりやすく解説していきます。
AIによって変わる「事務の仕事」

まずは、AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などのテクノロジーが、どのように事務職を変えてきたかを見てみましょう。
たとえば、以下のような作業はすでに自動化が進んでいます。
自動化が進んでいる業務の代表例
- 請求書の発行・管理
- 定型データの入力や集計
- メールの自動応答
- 勤怠やスケジュールの管理
- 顧客データの整理と転記作業
これらは一見、地味に見えるかもしれませんが、企業にとっては業務全体の中で非常に大きなコストがかかる部分でした。
だからこそ、AIの登場によって「効率化」の波が真っ先に押し寄せているのです。
結果として、「この仕事、AIでもできるよね?」という風潮が広まり、事務職全体の求人も縮小傾向にあります。
実際に、
- アシスタント
- 一般事務
- 営業事務
といった求人は、都市部を中心に年々減少しています。
とはいえ、すべての事務職がなくなるわけではない

では、本当に事務職は将来的に“全滅”してしまうのでしょうか?
実は、そうとも言い切れません。
なぜなら、AIにはまだまだできないことがあるからです。
AIでは対応しきれない仕事(例)
- 柔軟な判断や対応が必要な場面
- イレギュラーな業務やトラブルへの対応
- 顧客やチームメンバーとの信頼関係の構築
- 多岐にわたる業務を横断的に調整する役割
こういった“人ならではの感覚”が求められる仕事は、今後も確実に残ります。
特に中小企業やベンチャー企業・スタートアップの現場では、「一人で何でもできる事務スタッフ」が求められる傾向があります。
まだまだ、AIでは補いきれない「柔軟さ」「人間力」が大きな価値を持つのです。
これからの事務職に求められるスキルとは?
では、これから先、どんな事務スキルが重視されていくのでしょうか?
これから先に事務職が生き残るためのヒントは、人間にしか発揮できないスキルを身に付けることです。
AIは定型作業をこなすことはできても、コミュニケーション能力やイレギュラーへ柔軟に対応する力は人間より低いといわれています。
それでは、将来性のある事務職として、生き残るために必要な5つのスキルを見ていきましょう。
事務職に求められるスキル
- AIツールを使いこなす力
- 自ら考えて改善を提案・実行する力
- 専門分野での経験や強み
- 判断力・対応力
- 信頼関係を築くコミュニケーション力
事務職に求められるスキル①|AIツールを使いこなす力

ExcelやGoogleスプレッドシートだけでなく、ChatGPT、Notion、Slack、Zoom、会計クラウドソフトなど、今の時代は「ITツールを使って業務を回せる」人が重宝されます。
特別なプログラミングスキルまでは必要ありませんが、基本的なITリテラシーがあることは、もはや当たり前のスキルとなりつつあります。
AIが台頭してきた昨今では、業務効率化を進めるうえで、AIを味方につけることが必須のスキルと言われています。
変化の時代において、「AIに仕事を奪われる」と恐れるのではなく、AIを使いこなせる人になりましょう。
事務職に求められるスキル②|自ら考えて改善を提案・実行する力

これからの事務職に求められるのは、ただ言われたことをミスなくこなす“正確さ”だけではありません。
むしろ、それ以上に求められるのは、
この業務、本当にこのやり方でいいのかな?
もっとスムーズにできないかな?
と、自ら考えて改善を提案・実行する力です。
具体例
- 毎月の手作業レポート作成を、関数やマクロを使って自動化する
- 他部門とのやり取りが煩雑な業務を、チャットツールやテンプレートで効率化する
- 情報共有のタイミングを見直し、「何度も聞き直される」状況をなくす
こうした提案は、ちょっとした気づきから始まります。
「こうすればもっと楽になるのに」と思ったことがあれば、それはすでに“業務改善の芽”なのです。
業務改善ができる人は、組織のコスト削減や生産性向上にも貢献できるため、どの職場でも重宝される存在になります。
事務職に求められるスキル③|専門分野での経験や強み

今の時代、「何でもできます」という人よりも、「この分野なら任せてください」と言える人のほうが選ばれる傾向にあります。
具体例
- 会計知識がある人なら、仕訳入力や請求書作成も安心して任せられる
- 医療事務の経験がある人なら、専門用語や診療報酬の理解がある
- ECサイト運営の知識がある人なら、受注管理や商品登録の流れもスムーズにこなせる
このように、業界知識や実務経験を持つことで、“採用や依頼の決め手”になることが増えています。
また、専門性は「資格」だけではなく、経験そのものが武器になる場合もあります。
たとえば、大学職員として長く勤務してきた人なら、教育機関独自の年度スケジュールや申請業務の流れに詳しく、同様の機関ではすぐに戦力になります。
事務職に求められるスキル④|判断力・対応力

イレギュラーな事態やトラブルが起きたときに、状況を見て柔軟に判断し、関係者と調整しながら最適な対応ができる力です。
AIには難しい「その場で考え、動く力」は、これからの事務職にとって重要な資質のひとつです。
具体例
- 顧客対応の順序を臨機応変に変える
- トラブルの代替案を即座に提案する
- 依頼元の意図をくみ取って最適な進め方を選ぶ
こうした判断力や対応力は、実際の現場でこそ輝くスキルです
事務職に求められるスキル⑤|信頼関係を築くコミュニケーション力

丁寧な対応や気配り、誠実さは、AIには真似できません。
具体例
- 返信のタイミングや言葉遣いで相手の不安を和らげる
- 小さな変化に気づいて先回りする
- 他部署との橋渡し役として活躍する
こうした積み重ねが、「この人に任せておけば安心」と思われる信頼をつくります。
人と関わる力も、れっきとした“スキル”です。
変化の時代に、事務職に必要なマインドセットとは?
スキルを磨くことも大切ですが、それ以上に大切なのが「どんな気持ちで変化に向き合うか」という姿勢です。
ここでは、AI時代を前向きに乗り越えるために、事務職の方が意識しておきたいマインドセットを3つご紹介します。
事務職に必要なマインドセット3つ
- 「変化=脅威」ではなく「チャンス」ととらえる
- 完璧を目指さず、まずはやってみる
- 他人と比べず、過去の自分と比べる
事務職に必要なマインドセット①|「変化=脅威」ではなく「チャンス」ととらえる

AIや自動化が進む昨今では、
今の仕事がなくなるのでは…
と不安になるのは当然です。
でも、見方を変えれば、これは“今までと違う形で活躍できるチャンス”でもあります。
たとえば、AIに任せられる部分は任せて、自分はより判断や提案が必要な仕事に集中できるようになるかもしれません。
むしろ、AIを「使いこなせる人」になれば、あなたの価値はさらに高まります。
大切なのは、「変化を恐れないこと」ではなく、「変化を味方につける力」を持つことです。
事務職に必要なマインドセット②|完璧を目指さず、まずはやってみる

新しいツールや働き方に挑戦する時、
失敗したらどうしよう…
もっと勉強してから…
と不安になるのはよくあることです。
でも実は、行動しながら学ぶ人の方が、結果的に変化に強くなります。
完璧を目指さず、「まずはやってみる」を心がけてみましょう。
100点を目指して動けないよりも、60点でもやってみる方がずっと前に進めるのです。
たとえば、
- 「ChatGPTって何?」と気になったら、まずは使ってみる
- 「Excelをもっと使いこなしたい」と思ったら、YouTubeで1本動画を観てみる
そんな小さな一歩の積み重ねが、未来の大きな力になります。
事務職に必要なマインドセット③|他人と比べず、過去の自分と比べる

NSを見ていると、最新ツールを自在に使いこなす人たちが目に入って、
自分なんて、まだまだだな…
と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
でも、大切なのは昨日の自分と比べて、少しでも前に進めているかどうかです。
ストアカ講座で習ったAIツールを、実際に業務に取り入れてみた
業務のやり方を見直してみた
そんな積み重ねが、やがて大きな成長になります。
他人のペースではなく、自分の歩幅を大切にしながら、着実に進んでいきましょう。
事務職の新しい働き方をつくるのは「変わる勇気」(まとめ)

事務職は将来性がない
そんなふうに言われる今の時代だからこそ、必要なのは“変わる勇気”と“学ぶ意欲”です。
確かに、これからの時代には、ルーティンワークだけをこなす事務は減っていくかもしれません。
でも、変化を恐れずに学び、挑戦し、柔軟に進化していける人は、むしろこれからの時代にこそ必要とされる存在です。
- 事務の仕事が好きな人
- サポートが得意な人
- 裏方で支えることにやりがいを感じる人
そんなあなたの力を、必要としている人は必ずいます。
まずは身近なところから「新しい事務のカタチ」を体験してみましょう。
- 無料のAIツールを使ってみる
- オンラインで学べる講座を受けてみる
- 交流会やオンラインサロンで情報収集をする
未来を変えるのは、いつだって「小さな行動」からです。