わたし自身は、2021年~2022年の間に1年半ほど副業をしていました。
わたしが会社員をしながら副業していた時代に学んだこと、独立に向けて勉強したお金の知識などをシェアしていきます。
この記事では、副業やフリーランスが使える「家事按分(かじあんぶん)」という経費計上の仕方をご紹介します。
副業を始めたばかりで、今は自分のビジネスを考えるだけで手一杯…
お金の話が苦手でついつい後回しにしがち…
お金のことを勉強したいけれど、何から手を付けて良いかわからない…
そんな方は、ぜひこの記事を通じて、家事按分の考え方を理解して、あなたの日々の会計処理に取り入れてみましょう。
そもそも「家事按分(かじあんぶん)」て、何ですか?

家事按分とは、自宅の一部を事業活動に使用している場合、その部分の費用を按分して事業経費として計上する方法です。
例えば、自宅の一部をオフィスとして使っている場合、その部屋にかかる家賃や光熱費、通信費などを事業用経費として一部計上することができます。
家事按分は、白色申告でも青色申告でも対応が可能な方法で、経費計上を効率的に行うためには知っておいた方が良い、基本的な知識です。
家事按分を活用することで、個人事業主としての経費を最大限に活用できます。
副業でも「家事按分(かじあんぶん)」は使えるの?

家事按分は、フリーランスとして開業している場合だけでなく、副業の場合にも使えます。
主な収入源が会社のお給料だったとしても、開業届を出していれば、「個人事業主」という括りになるのです。
本業か副業かは関係がありません。
ご自身の事業が本業か副業かに関わらず、これから事業としてやっていくつもりがあるなら、事業活動にかかる費用はしっかりと計上しましょう。
特に、自宅を事業の拠点にしている場合は、仕事のために使っている分の家賃や光熱費を経費として認められるため、事業運営のコストを削減できます。
「家事按分(かじあんぶん)」の対象になるものは?

自宅を主な作業場とした場合に、家事按分の対象になりそうな代表的な経費の例をご紹介します。
家事按分の対象になり得る経費(例)
- 家賃
- 光熱費(電気代、水道代、ガス代)
- インターネット料金
- 電話料金(固定電話、携帯電話)
- 備品(パソコンや携帯電話等)
- 引っ越し費用
- 修繕費用
- 火災保険料・損害保険料
他にも、あなた自身の暮らしの中で、対象になりそうなものがあれば、
個人事業主 〇〇 家事按分
このように、Google検索してもらうと、該当するかどうかがわかると思います。
気になったものがあれば、ぜひ調べてみましょう。
具体的にどうすれば良い?「家事按分(かじあんぶん)」の計算方法
家事按分を行う際に、どうやって経費を計上するか、その計算方法に根拠を持つことが重要です。
家事按分には主に以下の3つの計算パターンがあります。
家事按分の主な計算パターン
- 面積比率による計算
- 時間数による計算
- 金額による計算
面積比率による計算

自宅の一部を事業用として使っている場合、面積の割合に基づいて経費を計算します。
例えば、事業活動を行う部屋の面積と自宅全体の面積の比率を計算し、その割合をもとに家賃や光熱費を按分します。
- 計算例:面積比率
- 家賃:月額50,000円
- 事業用部屋の面積:10㎡
- 自宅全体の面積:50㎡
- 面積比率:10㎡ / 50㎡ = 20%
事業用に使用している部屋の面積が全体の20%であるため、家賃の20%が事業経費として計上できます。
計算式:50,000円 × 20% = 10,000円
この場合、10,000円を経費として計上できます。
時間数による計算

自宅の設備(例えば、インターネットや電話など)の使用時間に基づいて経費を按分する方法です。
事業で使用した時間の割合を計算し、その時間数に応じて経費を按分します。
- 計算例:時間数比率
- インターネット料金:月額5,000円
- 月間インターネット使用時間:100時間
- 事業用のインターネット使用時間:30時間
- 時間数比率:30時間 / 100時間 = 30%
事業用のインターネット使用時間が全体の30%であるため、インターネット料金の30%を事業経費として計上できます。
計算式:5,000円 × 30% = 1,500円
この場合、1,500円を経費として計上できます。
金額による計算

金額に基づいて経費を按分する方法もあります。
例えば、総額での支払い額の中から、事業に使った分の金額を按分して経費として計上します。
- 計算例:金額比率
- 電気代:月額10,000円
自宅全体の使用状況から事業用に使用した分が30%だと判断したとします。
計算式:10,000円 × 30% = 3,000円
この場合、3,000円を経費として計上できます。
【参考】わたしが副業時代にやっていた家事按分

家事按分に関しては、どんな場所で作業するか、どのくらいの時間数で副業をしているに個人差があるので、一概にこうすれば良いということが言えません。
あくまで参考としてのご紹介になりますが、わたしの場合は「時間数による計算」と「金額による計算」のミックスでやっていました。
- 本業の作業時間と副業の作業時間を月平均で大まかに算出し、副業割合を25%に設定
- 電気代や水道代等の対象経費に一律25%を掛けて計上
家事按分を経費計上する際に気を付けたいポイント
家事按分を経費として計上する際には、2のポイントに気を付ける必要があります。
共通するポイントは、根拠を持って説明できる状態を作っておくことです。
記録と証拠の管理

家事按分を行う場合、その使用割合をしっかりと記録し、証拠を残しておくことが重要です。
領収書や契約書、使用明細などを適切に管理し、申告に備えましょう。
また、面積や光熱費の使用割合など、計算の根拠となるデータは保存しておきましょう。
適正な割合の計算

過度な按分を避け、事業用と家庭用の使用割合を適切に計算することが大切です。
実際の使用状況に基づいて計算しましょう。
例えば、会社員として週40時間の労働時間があり、副業が週10時間だったとします。
この場合に、時間による計算で、事業用の比率が50%というのは適切でしょうか。
「過度な按分」と指摘を受けないよう、適切な割合を設定しましょう。
「家事按分(かじあんぶん)」を知らないと損をする(まとめ)

家事按分とは、自宅の一部を事業活動に使用している場合、その部分の費用を按分して事業経費として計上する方法です。
例えば、自宅の一部をオフィスとして使っている場合、その部屋にかかる家賃や光熱費、通信費などを事業用経費として一部計上することができます。
どんなものが経費になるか、どんなふうに計算すればよいかは、毎回この記事を見にこなくても、ネットで検索すれば家事按分について詳しく解説している記事がいくらでも出てきます。
それなのに、実際、現役のフリーランスで活動している人と話す中でも、家事按分を知らない人をお見掛けすることが多々あります。
「家事按分」というルールを知っているか、知らないか、違いはそれだけだったりします。
お金に関しては、シンプルに「知らない」というだけで損をすることがあるのです。
家事按分は、個人事業主であれば、副業でもフリーランスでも使える仕組みなので、活用しない手はないでしょう。
売上を作ることに邁進するのも良いですが、それと同時に、自身の手元から出ていくお金にも関心を持ちましょう。
副業やフリーランスで開業しているあなたに、家事按分に興味を持ってもらい、自分のビジネスに役立ててもらえたら嬉しいです。