経理パーソンとして、会社の数字を支える重要な役割を担い、日々責任感を持って業務に励んでいる中でも、ふとした瞬間に…
わたし、ずっとこのまま働いていていいのかな…
わたしのキャリアって、もしかしてもう限界なのかな…?
こんなふうに感じることはありませんか?
特に、経理職は専門性が高い一方で、そのキャリアパスが見えづらく、「頭打ち」を感じてしまう方が少なくありません。
- 日々のルーティンワークに物足りなさを感じている
- 自分の市場価値が上がっているのか不安になる
- 将来のキャリアビジョンが描けない
- 昇進や昇給の機会が少ないと感じている
仕事やキャリアに対して、こうしたモヤモヤを抱えているなら、それは決してあなただけではありません。
あなた以外にも、多くの30代・40代経理女性が同じような悩みを抱えています。
この記事では、経理職の女性がなぜ「頭打ち」を感じてしまうのか、その具体的な理由を7つ挙げ、それぞれの乗り越え方をご紹介します。
あなたの心の中にあるモヤモヤの原因と乗り越え方がわかれば、気持ちもすっきりと晴れて、未来に向けた具体的な一歩を踏み出すヒントが見つかるはずです。
経理がキャリアの「頭打ち」を感じてしまう7つの理由
まずは、あなたが経理のキャリアで「頭打ち」を感じてしまう具体的な理由について掘り下げていきましょう。
経理のキャリアで「頭打ち」を感じてしまう理由
- 新しいスキルが身につかない
- キャリアパスが見えづらい
- 専門性や会社への貢献度が評価されにくい
- 給与の伸び悩みと将来への不安
- ルーティン業務が多く、成長を感じにくい
- ワークライフバランスの取りづらさ
- キャリアの相談相手がいない
「頭打ち」を感じてしまう7つの理由①|新しいスキルが身につかない

経理の仕事は、月次・年次決算、税務申告、監査対応など、常に締め切りに追われる日々です。
特に月末や期末は残業も増え、目の前の業務をこなすことに精一杯になりがちです。
新しい会計基準の勉強や、ITツール、データ分析などのスキルを習得したいと思っても、なかなか時間を作ることができません。
結果として、今の業務を滞りなくこなすことはできても、自身のスキルアップや市場価値の向上につながる「新しい学び」の機会を失ってしまい、
このままでいいのだろうか…
という焦りを感じてしまうことがあります。
「頭打ち」を感じてしまう7つの理由②|キャリアパスが見えづらい

経理職のキャリアパスは、他部署と比べて一本道のように感じられることが多いです。
多くの企業では、経理部内で係長、課長、部長と昇進していくか、CFOを目指すか、といった道筋が一般的です。
しかし、役職のポストには限りがあり、昇進の機会も限定的です。
また、専門性が高いがゆえに、他部署への異動やキャリアチェンジが難しいと感じることもあります。
この会社で、一体この先、何を目指せばいいんだろう…
という閉塞感が、「頭打ち」の原因となることがよくあります。
「頭打ち」を感じてしまう7つの理由③|専門性や会社への貢献度が評価されにくい

経理の仕事は、企業の経営を根底から支える重要な役割を担っています。
しかし、その貢献度は売上を直接生み出す営業職などと比べて、目に見えにくい部分があります。
数字を正確に管理し、不正を防ぎ、法令遵守を徹底するといった「当たり前」の業務が多いがゆえに、その専門性や貢献度が正当に評価されにくいと感じる経理担当者は少なくありません。
頑張りが正しく評価されていないと感じると、モチベーションの低下や「この仕事は報われない」という感覚につながり、それがキャリアの「頭打ち」の感情を生み出します。
「頭打ち」を感じてしまう7つの理由④|給与の伸び悩みと将来への不安

経理職の給与は、一般的に安定していると言われますが、劇的に上昇するケースは稀です。
特に年功序列型の企業では、勤続年数に応じて緩やかに上がっていくことがほとんどです。
自身のスキルや貢献度に見合った評価が給与に反映されているとは限らないと感じることもあります。
30代・40代になり、ライフイベントや将来設計を具体的に考える時期に差し掛かると、
この給与で本当に大丈夫なのだろうか…
老後まで働き続けられるだろうか…
といった漠然とした不安が、「頭打ち」の感覚を加速させることがあります。
「頭打ち」を感じてしまう7つの理由⑤|ルーティン業務が多く、成長を感じにくい

経理業務の多くは、日々、月々、年々繰り返されるルーティンワークです。
正確性が求められるため、常に新しいことや創造的な仕事に挑戦する機会は少ないかもしれません。
ある程度経験を積むと、業務は滞りなくこなせるようになり、仕事内容そのものから得られる刺激が減ってしまうことがあります。
新しい知識やスキルを習得する機会も少ないと感じ、結果として
この仕事はもうこれ以上、自分を成長させてくれないのでは…?
という停滞感につながる場合があります。
「頭打ち」を感じてしまう7つの理由⑥|ワークライフバランスの取りづらさ

経理は、決算期や税務申告期など、特定の時期に業務が集中し、残業が増える傾向があります。
日頃は定時で上がれていても、そうした繁忙期にはプライベートの時間を犠牲にせざるを得ないことも少なくありません。
30代・40代になり、結婚、出産、育児、介護といったライフイベントが現実味を帯びてくると、
今の働き方で、この先も家庭と仕事を両立できるのだろうか
もっと柔軟な働き方はできないのだろうか
といった懸念が強まります。
理想のライフスタイルと現実のギャップが、経理のキャリアの「頭打ち」の感情を助長することがあります。
「頭打ち」を感じてしまう7つの理由⑦|キャリアの相談相手がいない

経理部は会社の中でも独立した部署であることが多く、他部署との交流が少ないと感じることもあります。
また、経理の専門的なキャリアの悩みは、友人や家族には理解されにくいことも少なくありません。
社内を見渡しても、気軽に相談できる先輩やロールモデルが見当たらない場合、一人で悩みを抱え込み、孤独感を感じてしまうことがあります。
客観的な視点やアドバイスが得られないことで、自分のキャリアの方向性を見失い、「頭打ち」の状況から抜け出せないと感じることがあります。
経理パーソンがキャリアの「頭打ち」を乗り越える方法7つ
ここまで、「頭打ち」を感じる理由について見てきました。
ここからはその状況を乗り越え、理想の未来を掴むための具体的な方法を7つご紹介します。
キャリアの「頭打ち」を乗り越える方法7つ
- プラスαの知識・スキル習得
- 隣接部署へのキャリアチェンジ
- 経理職の強みを「見える化」する
- 独立や副業で「経理」の新しい可能性を探る
- 業務改善やDX推進に主体的に参画する
- ワークライフバランスを重視した働き方
- キャリアの専門家に相談する
キャリアの「頭打ち」乗り越え方①|プラスαの知識・スキル習得
日々の業務に追われスキルアップが難しいと感じるなら、意識的にプラスαの知識やスキルを習得する時間を作りましょう。
経理の専門性をさらに深めることで、あなたの市場価値は確実に向上します。
例えば、以下のようなスキルが考えられます。
経理の上位資格・上級スキル
- 日商簿記1級・全経上級など、さらに高度な会計知識
- 税理士、公認会計士、USCPA(米国公認会計士)など、難易度の高い資格取得
- M&A会計、IFRS(国際財務報告基準)など、専門性の高い分野の学習
- 会計システム導入・運用経験、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など、ITスキル
- データ分析スキル(Excel VBA、Python、BIツールなど)
これらのスキルは、経理部内での昇進だけでなく、企画部門や経営戦略部門へのキャリアパスを開く可能性もあります。

まずは、新しいスキルを学ぶための時間と体力を確保することから始めたいですね!
キャリアの「頭打ち」乗り越え方②|隣接部署へのキャリアチェンジ
経理の専門知識は、他部署でも活かせる場面が多くあります。
「キャリアパスが見えづらい」と感じるなら、視野を広げて隣接部署へのキャリアチェンジを検討してみましょう。
例えば、以下のような部署が考えられます。
経理からキャリアチェンジが可能な隣接部署
- 経営企画部:会社の財務状況を理解しているため、経営戦略の立案や分析に貢献できます。
- 事業企画部:新規事業の採算性評価など、経理の視点が活かされます。
- 内部監査部:経理プロセスの監査経験は、内部統制の強化に役立ちます。
- IR(投資家向け広報):財務諸表の深い理解は、投資家とのコミュニケーションに不可欠です。
社内公募制度などを活用し、まずは情報収集から始めてみましょう。



経理で培った論理的思考力や分析力は、どの部署でも通用するポータブルスキルです。
キャリアの「頭打ち」乗り越え方③|経理の強みを「見える化」する
経理の貢献が評価されにくいと感じるなら、自ら「見える化」する努力をしましょう。
日々の業務で当たり前になっていることの中に、会社の利益に貢献している部分や、コスト削減、リスク回避に繋がっている部分が必ずあります。
「見える化」の具体的な取り組み
- 月次・年次報告会での積極的な発言:数字の羅列だけでなく、その数字が持つ意味や、今後の経営への示唆を具体的に伝えるように意識しましょう。
- 他部署への情報提供と連携:経理が持っている数字や情報を、他部署が活用しやすい形で提供し、連携を強化することで、社内でのプレゼンスを高めることができます。
- 業務改善提案:日々の業務で気づいた非効率な点や改善案を積極的に提案し、実行することで、コスト削減や業務効率化に貢献し、具体的な実績としてアピールできます。
自分の仕事が会社にどう貢献しているかを意識し、それを積極的に発信しましょう。



「見える化」と発信により、あなたの評価は確実に変わっていくはずです。
キャリアの「頭打ち」乗り越え方④|独立や副業で「経理」の新しい可能性を探る
給与の伸び悩みに不安を感じるなら、独立や副業を視野に入れて「経理」の新しい可能性を探ることも有効な手段です。
いきなり会社を辞める必要はありません。
まずは副業から始めて、自分のスキルが社外でどの程度通用するのか試してみるのも良いでしょう。
経理スキルが活かせる独立・副業の選択肢(例)
- 記帳代行・経理事務のアウトソーシング:ベンチャー企業や個人事業主の経理を代行する
- クラウド会計ソフト導入支援:多くの企業がIT化を進める中で需要が高まっています。
- 経理コンサルティング:企業や個人事業主の会計課題を解決するアドバイスを提供
- 経理に関するブログや情報発信:自身の知識をコンテンツ化し、広告収入やアフィリエイト収入を得る
収入源を複数持つことは、金銭的な不安を軽減するだけでなく、精神的なゆとりにも繋がります。



副業で実績を積むことで、将来的な独立も視野に入ってきます
キャリアの「頭打ち」乗り越え方⑤|業務改善やDX推進に主体的に参画する
ルーティン業務が多く刺激を感じにくいと感じるなら、業務改善やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に積極的に関わってみましょう。
経理の現場を一番よく知っているのは、日々業務を行っているあなたです。
経理スキルを活かした業務改善やDX推進
- 既存業務の自動化提案:RPFやExcelマクロの導入など、非効率な手作業を減らす提案をしましょう。
- 新しい会計システムやツールの導入検討:積極的に情報収集し、自社の業務に最適なツールを提案・導入することで、業務効率化に貢献できます。
- データ活用推進:経理データを経営分析に活かすためのレポート作成や、他部署との連携を提案するなど、受動的な業務から能動的な業務へとシフトできます。
主体的に仕事を生み出すことで、日々の業務に「自分ごと」として取り組む意識が芽生えます。



新たな業務に取り組むことで、やりがいや成長を感じられるようになります。
キャリアの「頭打ち」乗り越え方⑥|ワークライフバランスを重視した働き方
ワークライフバランスに懸念を感じるなら、具体的な行動を起こし、働き方そのものを見直すことを検討しましょう。
働き方のバリエーション
- 社内制度の活用: 時短勤務、フレックスタイム制度、リモートワークなど、会社が提供している制度を積極的に活用できないか確認しましょう。
- 部署異動や転職を視野に入れる: 現在の部署や会社での実現が難しい場合、より柔軟な働き方を提供している部署や企業への異動・転職も選択肢の一つです。
- 業務効率化の徹底: 自分自身の業務を効率化することで、残業を減らし、プライベートの時間を確保する努力をします。
仕事とプライベートのバランスが取れることで、心身ともに健康な状態を保つことに繋がります。



心身の健康を保つことが長期的なキャリアを築く基本です。
キャリアの「頭打ち」乗り越え方⑦|キャリアの専門家に相談する
孤独感を感じたり、将来のキャリアに関する相談相手がいないと感じるなら、キャリアの専門家に相談することを強くおすすめします。
客観的な視点や専門的な知見を得ることで、一人で抱え込んでいた悩みが解決に向かうことがあります。
キャリアの専門家と相談内容
- キャリアコンサルタント: 自身の強みや弱み、興味・関心、価値観などを整理し、キャリアプランを一緒に考えてくれます。
- 転職エージェント: 経理職の市場動向や、あなたのスキルを活かせる企業の求人情報を提供してくれます。
- 副業・独立支援の専門家: 経理スキルを活かした副業や独立を考えている場合、具体的なノウハウやアドバイスを得られます。
- 社外のコミュニティやセミナー: 同じような悩みを持つ仲間と出会い、情報交換をすることで、視野が広がり、新たな気づきが得られます。
プロに相談することで、漠然とした不安が具体的な課題となり、それに対する解決策を見つける手助けをしてくれます。



自分一人で抱え込まず、外部の力を借りることも、賢いキャリア戦略の一つです
キャリアの「頭打ち」を感じる瞬間は成長のタイミング(まとめ)
経理のキャリアで「頭打ち」を感じることは、決して珍しいことではありません。
しかし、その感情を放置せず、一歩踏み出す行動を起こすことで、あなたの未来は大きく変わる可能性があります。
この記事でご紹介した7つの理由と7つの乗り越え方は、あくまで一例です。
大切なのは、あなたがどんなキャリアを築きたいのか、どんな働き方をしたいのかを明確にし、それに向かって具体的な行動を起こすことです。
でも、何から始めればいいのかわからない…
最初は、そう感じるかもしれません。
そんな時は、まずは小さな一歩から始めてみましょう。
キャリアの「頭打ち」を乗り越える小さな一歩(具体例)
- 興味のあるスキルに関するオンライン講座を一つ受けてみる
- 転職サイトに登録して、経理職の求人情報を覗いてみる
- キャリアに関する書籍を読んでみる
- 社外のセミナーや勉強会に参加してみる
たとえ小さな一歩でも、それがあなたのキャリアを前に進める大きな原動力になります。
経理のキャリアは決して「頭打ち」ではありません。
理想の未来へ向かって、今日から「未来への投資」を始めてみましょう。



あなたのキャリアが、より輝かしいものになることを心から願っています