大学職員はやりがいがない?昇給と評価が嚙み合わない口コミ重視の世界

大学職員は、安定した給与と落ち着いた環境が魅力と言われます。

年功序列でゆるやかな昇給はありますが、「やりがいがない」「評価と昇給が噛み合わない」と感じる人は少なくありません。

評価は定性的で、上司の印象や職員間の口コミに左右されがちです。

また、真面目な人ほど多くの仕事を抱え込み疲弊する一方、生産性が低く残業ばかりの人が安定しているという逆転現象も起きます。

さらに、改革提案をする人が「余計なことをする人」と煙たがられるなど、採用ページと現場のギャップもあります。

この記事では、大学職員がやりがいを感じにくい理由と、向いている人・向いていない人の特徴、そしてキャリアチェンジの選択肢を紹介します。

安定した職場環境はなかなか捨てづらいとは思いますが、今後のキャリアを考える上での参考にしていただけたら嬉しいです。

目次

大学職員が「やりがいがない」と感じる理由5選

大学職員は、公務員に近い安定感と福利厚生の手厚さから「ホワイト職場」と見られがちです。

確かに、民間企業のように急な業績悪化でリストラされる心配はほとんどなく、毎年の昇給もほぼ保証されています。

しかし、その安定感の裏側で、多くの職員がやりがいのなさに悩んでいます。

まずは、大学職員として働く中で「やりがいがない」と感じてしまう理由を5つご紹介します。

あなた悩みと合致するものがないか、振り返りながら読み進めてみてください。

大学職員が「やりがいがない」と感じる理由

  • 昇給と評価がほぼリンクしない
  • 職員間での口コミが重視される
  • 真面目な人ほど損をする職場構造
  • できる人が潰れ、できない人が安定する
  • 改革意欲のある人は嫌煙される

やりがいがないと感じる理由①|昇給と評価がほぼリンクしない

大学職員の給与体系は、多くの場合年功序列が基本です。

勤続年数が増えるほど自動的に昇給し、よほどの問題がない限り昇給が止まることはありません。

一見すると安心できる仕組みですが、裏を返せば評価と昇給がほとんどリンクしないということです。

民間企業のように成果や実績が直接給与や昇格に反映されるわけではなく、「頑張っても頑張らなくても変わらない」という感覚が広がりやすくなります。

これが、やりがいを削ぐ大きな要因の一つです。

やりがいがないと感じる理由②|職員間での口コミが重視される

職員間での口コミが重視される

大学職員の業務は、数値で測りにくいものが多いのが特徴です。

学生対応や教員サポート、イベント運営、学外との調整など、成果が長期的にしか見えない仕事も少なくありません。

さらに、成果はチームで作り上げるケースが多く、個人の貢献度を客観的に測るのが難しいのです。

そのため評価は定性的になりがちで、上司の印象や職員間の口コミといった主観的な要素に左右されやすくなります。

努力の過程よりも「どう見られているか」が結果に影響する構造が、モチベーション低下につながります。

やりがいがないと感じる理由③|真面目な人ほど損をする職場構造

真面目な人ほど損をする職場構造

大学職員の現場では、特定の人がどんどん仕事を引き受け、業務量が偏ってしまうことが珍しくありません。

その背景には、実際は余裕があるのに「忙しいフリ」をして業務を回避する人の存在があります。

結果として、真面目な人ほど仕事が集中し、サボる人と同じ待遇を受けるという不公平が生じます。

本来であれば、努力や成果に応じて待遇に差がつくべきですが、評価制度がそれを反映しないため、頑張る意味を見失いやすくなります。

やりがいがないと感じる理由④|できる人が潰れ、できない人が安定する

できる人が潰れ、できない人が安定する

仕事ができる人は効率的に業務を終えるため残業が少なくなりますが、その「余裕がある」印象から追加の仕事を次々に振られます。

やがて業務量が限界を超え、ミスが増え、最悪の場合メンタルを崩すこともあります。

一方で、仕事ができない人は生産性が低く残業が多いため、周囲から「これ以上は任せられない」と判断されます。

結果として業務量は増えず、一定のペースで安定して働けるという逆転現象が起きます。

この状況は、業務量が異常に偏っているにもかかわらず、評価基準がそれに連動していないことから生まれています。

やりがいがないと感じる理由⑤|改革意欲のある人は嫌煙される

改革意欲のある人は嫌煙される

大学の採用ページには「改革心のある人を求めています」と書かれていることが多いですが、現場は必ずしもそうではありません。

改善提案を積極的に行う人は、本来なら組織にとって貴重な存在ですが、前例踏襲を好み淡々と仕事を進めたい人からすると「余計な手間を増やす存在」に映ることがあります。

そのため、改革意欲のある職員が煙たがられ、提案が通らないばかりか孤立してしまうケースもあります。

こうした文化は、意欲的な人ほどやりがいを失いやすい原因になります。

大学職員に向いている人・向いていない人

大学職員という働き方が合うかどうかは、人それぞれの価値観や働き方のスタイルによって大きく変わります。

ここでは、やりがいを感じやすい人と、逆に不満を抱きやすい人の特徴を整理しました。

あなた自身、どちらに当てはまるのか、ぜひ照らし合わせながら読み進めてみてください。

大学職員に向いている人の特徴3つ

安定・ワークライフバランス重視の人

大学という職場は、向いている人にとっては、これ以上ない職場環境だと思います。

まずは、大学職員が向いている人の特徴を3つご紹介します。

大学職員に向いている人の特徴3つ

  • 前例踏襲の仕事が苦でない人
  • 安定・ワークライフバランス重視の人
  • 協調型の人

前例踏襲の仕事が苦でない人

大学という組織は、安定した運営を重んじるため、長年続いてきた手順やルールを簡単には変えません。

過去のやり方や書式、承認フローなどを「効率はともかく、決まっているなら従おう」と割り切れる人は、ストレスを感じにくく、職場に馴染みやすいです。

逆に、何事も合理化したいタイプには窮屈に感じられることもあります。

安定・ワークライフバランス重視の人

給与や雇用の安定性、残業の少なさ、長期休暇の取得など、働きやすさを重視する人にとって大学職員は理想的な環境です。

特に民間企業から転職してきた人は、急な異動や業績による雇用不安がない安心感に驚くことも多いです。

毎年の昇給がほぼ保証されるため、収入面でも長期的な生活設計が立てやすいでしょう。

協調型の人

大学は複数の部署や立場が絡み合って動く組織です。

教員、学生、他部署、外部機関など、関係者が多岐にわたります。

波風を立てず、関係者との関係を保ちながら物事を進められる人は、こうした環境で高い適応力を発揮します。

対立を避け、淡々と調整を進めることが得意な人は、特に向いていると言えるでしょう。

大学職員に向いていない人の特徴3つ

抜本的な改革や改善を推進したい人

まじめで勤勉な人や能力の高い人が結果的に損をしてしまうケースがよくあります。

そんな「大学職員が向いていない人」の特徴を3つご紹介します。

大学職員に向いていない人の特徴

  • 抜本的な改革や改善を推進したい人
  • 自身の能力を収入や評価に反映させたい人
  • 適当に仕事ができない人

抜本的な改革や改善を推進したい人

大学の現場は保守的で、前例や慣習を重んじる傾向があります。

そのため、効率化や改革を積極的に提案しても、現場からは「余計な手間が増える」と受け止められることがあります。

採用ページで「改革心のある人を歓迎」と謳っていても、実際には変化を嫌う文化が根強く、改善意欲が高い人ほどやりがいを失いやすいのが現実です。

自身の能力を収入や評価に反映させたい人

大学職員の昇給は年功序列色が強く、評価と給与が直接結びつくことは稀です。

どれだけ成果を出しても、昇格や昇給のスピードは同僚と大きく変わらない場合が多いでしょう。

「努力が正当に報われる」ことをモチベーションの軸にしている人にとっては、この制度は物足りなさや不公平感の原因になりやすいです。

適当に仕事ができない人

真面目で責任感が強く、手を抜けないタイプの人は要注意です。

職場には、実際は余裕があるのに“忙しいフリ”をして業務を避ける人も存在します。

結果的に、誠実に取り組む人ほど仕事が集中し、業務量が偏ります。

無理を続ければ、業務過多に追い込まれ、ミスや心身の不調につながりかねません。

大学職員が向いていない」と感じている人への提案

大学職員の仕事が自分には合わないと感じたとき、環境を変えることは決して逃げではありません。

これまで培った経験やスキルを別の場で活かせば、やりがいと成長の両方を得られる可能性があります。

ここでは、具体的な転職先や準備のステップをご紹介します。

具体的な転職先や準備のステップ

  • 大学職員の経験を活かせる転職先
  • スキル棚卸しと転用の整理
  • 転職時のリスクに備える

提案①|大学職員の経験を活かせる転職先

大学職員の経験を活かせる転職先

大学職員として培った調整力や事務処理能力は、多くの業界で応用可能です。

例えば、民間企業のバックオフィス(総務・人事・経理など)は、書類管理や関係者との調整といった共通業務が多く、即戦力として評価されやすい分野です。

また、NPOや公益法人では、社会的意義のある業務に関わりながら、自分のスキルを活かすことができます。

外部コンサルや研修運営会社なども、資料作成やプロジェクト調整の経験を活かせる職場の一例です。

りか

教育に興味・関心が高い人は、民間企業が運営している学習塾やスクールなども候補になりそうです。

提案②|スキル棚卸しと転用の整理

スキル棚卸しと転用の整理

転職を検討する際には、まず自分の経験やスキルを棚卸しし、他業界でも通用する形に言語化することが重要です。

大学職員の仕事は「大学でしか通用しない」と思われがちですが、実際は多くの業務が普遍的な事務・調整スキルに基づいています。

例えば、

  • 会議運営=プロジェクトマネジメント
  • 学生対応=顧客対応
  • 学内調整=社内調整業務

といった具合に、役割を一般化して説明できるようにしておきましょう。

りか

他大学への転職以外では、伝わりづらい業務も多いため、転職先に伝わりやすい表現に変換する必要があります

提案③|転職時のリスクに備える

転職時のリスクに備える

安定した大学職員の立場から転職する場合、最も大きなリスクは雇用の安定性と収入の変動です。

特に民間企業では成果や景気によって待遇が変わる可能性があります。

そのため、転職前に十分な情報収集を行い、条件や仕事内容を具体的に確認することが必要です。

また、いきなり本業を変えるのが不安な場合は、副業や短期の業務委託で新しい業界を体験してから本格的な転職を決める方法もあります。

りか

副業から試してみる場合は、就業規則で副業・兼業の可否を必ず確認しておきましょう

大学職員の評価制度に合わせるか、環境を変えるのか(まとめ)

大学職員の仕事は、安定感や働きやすさという大きな魅力があり、人気を集めている職種です。

一方で、年功序列の昇給制度や定性的な評価基準、真面目な人ほど損をする業務の偏在、改革心が評価されにくい文化など、やりがいを損ないやすい要素が複数存在します。

向いている人は、この安定した環境をうまく活かしながら長く働くことができますが、向いていない人は不満や停滞感を抱えたまま年月を過ごすリスクがあります。

この記事で挙げた「やりがいを感じにくい理由」を知ることは、自分の働き方を見直すきっかけになります。

現職で制度や文化に合わせて働き方を調整するのも一つの方法ですし、環境を変えて自分の能力や意欲をより活かせる道を選ぶのも有効です。

自分が大切にしたい働き方や成長の形を明確にし、その軸に沿って環境を選ぶことが、長く健やかに働くための第一歩です。

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この記事を書いた人

【「副業事務のはじめ方」の主宰/コーチ】事務歴16年。国家資格キャリアコンサルタント。2021年からオンライン事務代行を副業でスタートし、2022年にオンライン事務代行として独立しました。2024年からは、事務職女性の副業サポートやキャリア支援にも従事しています。

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