総務職は「会社の何でも屋」と呼ばれることもあり、業務範囲が広く、責任も大きい仕事です。
一方で、成果が見えにくく、社内で評価されにくいという悩みを抱える女性も少なくありません。
「辞めたい」という気持ちは、決して珍しいものではありません。
むしろ、自分の働き方やキャリアを見直すきっかけになる大事なサインです。
この記事では、総務を辞めたいと感じる瞬間や理由、そして転職か続けるか迷ったときの判断基準をまとめてみました。
日々、総務として真摯に働くあなたが、キャリアに迷ったときに判断の参考にしていただけたら嬉しいです。
総務を辞めたいと感じる理由8選
まずは、総務を辞めたいと感じる代表的な理由をまとめてみました。
総務を辞めたいと感じる瞬間は、必ずしも1つだけではないと思います。
あなた自身がどんな時に辞めたいと感じるのか、代表的な理由を参考にしながら、言語化してみましょう。
総務を辞めたいと感じる瞬間8選
- なんでも屋状態で業務が終わらない
- 成果が数字で見えず、評価されにくい
- 突発対応やトラブル処理が多く、予定が崩れる
- 板挟みポジションに疲れる
- キャリアや将来性が見えない不安
- 「女性だから」と頼まれる雑務にモヤモヤ
- 給与が低く、生活に余裕がない
- 古参社員との人間関係に疲弊
総務を辞めたくなる瞬間①|なんでも屋状態で業務が終わらない
対策:業務成果を数値や事例で可視化する

総務は、備品管理や来客対応、社内行事の準備、労務や経理のサポートなど、業務範囲が非常に広い職種です。
営業のように売上という明確な指標がない総務は、どれだけ会社に貢献していても「いて当たり前」と思われがちです。
日々のルーチン業務に加え、突発的な依頼が舞い込み、優先順位をつける暇もないまま一日が終わることもあります。
断るのが難しい文化の中で、気がつくと自分の仕事時間がほとんどなくなってしまいます。
そこで、自分の仕事を可視化しましょう。
対応件数、改善事例、コスト削減額など、数字や具体例を盛り込んだレポートを作成し、定期的に共有します。
これにより、周囲の評価や理解が得やすくなります。
💡 総務が抱える悩みの代表は「なんでも屋」「雑用係」といった社内的な役割になりがちな点です。もっと詳しくこの悩みについて考察した記事がありますので、キャリアを考える上でこちらの記事も参考にしてみてください。

総務を辞めたくなる瞬間②|成果が数字で見えず、評価されにくい
対策:業務の棚卸しと優先順位づけを行い、断る線引きを明確にする

総務は、備品管理、来客対応、社内イベント準備、労務・経理サポートなど業務が多岐にわたります。
トラブルを未然に防ぐことや、会社の基盤を支える業務は本来とても重要ですが、その価値を理解してくれる人は少ないのが現実です。
さらに突発的な依頼が多く、優先順位をつける暇もなく一日が終わることもあるでしょう。
この状況を改善するには、まず業務の棚卸しをして緊急度・重要度で分類し、上司と共有することが大切です。
「この仕事は今すぐ必要か」「別部署でも対応可能か」を明確にすれば、不要な依頼を減らせます。
総務を辞めたくなる瞬間③|突発対応やトラブル処理が多く、予定が崩れる
対策:突発業務の記録を取り、傾向を分析して予防策を導入する

備品の故障や社内の問い合わせ、急な来客対応など、予期せぬ出来事が多く、集中して一つの業務を進める時間が取りにくいのです。
朝立てたスケジュールが、昼までにすべて崩れる――そんな日も珍しくありません。
予定していた業務が後回しになる日が続くと、達成感も失われます。
まずは突発業務の発生状況を記録し、どんな場面で多いのか傾向を分析しましょう。
発生頻度の高いトラブルにはマニュアル化やツール導入など、事前に防ぐ仕組みを整えることが有効です。
総務を辞めたくなる瞬間④|板挟みポジションに疲れる
対策:相手ごとの要望や背景を整理し、事実ベースで調整する

経営層と現場、他部署同士の間に立つことが多い総務は、調整役として精神的な負担を感じやすい立場です。
どちらにも理解を示しながら話をまとめるのは高度なコミュニケーション能力を必要とし、消耗も大きいです。
このストレスを減らすには、感情に振り回されず事実ベースで話を進めることがポイントです。
誰の意見が正しいかではなく、「会社のルール」「業務の優先順位」という基準で判断すれば、自分自身も冷静でいられます。
総務を辞めたくなる瞬間⑤|キャリアや将来性が見えない不安
対策:希望するキャリアパスと必要スキルを明確にする

総務は幅広い知識を得られる反面、専門性が身につきにくく、昇進や給与アップの道が限られている職種です。
専門職へのステップアップが難しく、昇進や給与アップの道も限られているため、このまま続けていいのかと不安になる人も多いです。
まずは5年後、10年後の自分の姿をイメージし、そこに必要なスキルを洗い出しましょう。
社内で得られるものと外で学ぶべきものを分けると、行動計画が立てやすくなります。
💡 総務の将来性に不安を感じている方は、キャリア戦略やスキルアップに関して、より踏み込んで考えてみましょう。こちらの記事が参考になると思います。

総務を辞めたくなる瞬間⑥|「女性だから」と頼まれる雑務にモヤモヤ
対策:業務範囲を明確化し、引き受ける・断る基準を決める

お茶出しや掃除、細やかな気配りなど、本来の業務範囲外のことを「女性だから」という理由で頼まれることがあります。
やりたくないわけではなくても、それが当然とされる空気には違和感を覚えるでしょう。
断ることが難しい場合でも、業務の範囲を明文化し、誰が担当するかをルール化しておくことで属人的な依頼を減らせます。
どうしても避けられないときは、時間や回数を区切って負担を抑えましょう。
総務を辞めたくなる瞬間⑦|給与が低く、生活に余裕がない
対策:昇給交渉や副業など収入源の多様化を検討する

責任が重く業務量も多いのに、給与が上がらないのは総務の大きな悩みです。
昇給率も低く、生活に余裕が持てないと感じる女性も少なくありません。
まずは、業務改善や資格取得などで自分の市場価値を高め、昇給や手当の交渉材料を作りましょう。
同時に、副業や転職など別の収入源を持つことも、生活の安定や将来への安心感につながります。
💡 バックオフィスは評価基準が曖昧なため、年収アップが難しい職種です。年収を上げたいと考えているあなたには、こちらの記事も参考になると思います。

総務を辞めたくなる瞬間⑧|古参社員との人間関係に疲弊
対策:業務上必要な関係に絞って接する

長く勤めている社員との関係がうまくいかず、社内の独特なルールや暗黙の了解に合わせることにストレスを感じる場合もあります。
とくに少人数の職場では、人間関係の影響が仕事全体に及びやすいです。
そうしたケースでは、無理に仲良くしようとせず、あくまで業務に必要なやりとりに絞ることで、精神的な距離を保てます。
外部の交流や同業コミュニティに参加することで、孤独感を和らげるのも効果的です。
💡 社内での人間関係にストレスを感じているなら、社外での交流でバランスを取りましょう。人間関係があなたの年収やキャリアに影響する理由について、詳しく解説した記事がありますのでこちらも参考にしてください。

転職か今の仕事を続けるかを判断する5つの視点
「総務を辞めたい」と感じる理由が明確になったら、転職するか、今の仕事を続けるかを冷静に考えてみましょう。
転職するか今の仕事を続けるか、判断する際に参考にしてほしい5つの視点をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
転職か今の仕事を続けるかを判断する5つの視点
- 中長期的なキャリアプランを描く
- 辞めたい理由は職場環境なのか仕事内容なのか
- 改善できる余地があるかどうか
- 今後身につけたいスキルや働き方との一致度
- 転職難易度や求人状況も考慮する
視点①|中長期的なキャリアプランを描く

今の仕事を続けるか、転職をするかを考える前に、まずは5年後、10年後にどんな働き方をしていたいかを描いてみましょう。
キャリアプランを想定した上で、今の職場ではそれが実現可能かどうか、今のあなたがどんな選択をするのがベターかを考えてみましょう。
視点②|辞めたい理由は職場環境なのか仕事内容なのか

「仕事内容そのものが合わない」のか、「今の会社の環境が合わない」のかを切り分けましょう。
環境の問題であれば、同じ総務職でも会社を変えることで解決する可能性があります。
視点③|改善できる余地があるかどうか

上司への相談や業務の可視化、ツール導入などで負担が軽減できる場合もあります。
辞める前に試せる改善策があるかどうかを確認しましょう。
視点④|今後身につけたいスキルや働き方との一致度

自分がこれからどんなスキルを磨きたいか、どんな働き方をしたいかを考えてみましょう。
それが今の仕事で実現できるかどうかで判断することも大切です。
視点⑤|転職難易度や求人状況も考慮する

総務職は求人数が少なく、即戦力を求められる傾向があります。
転職市場の状況も踏まえて、しっかりと行動計画を立てることが大切です。
総務を「辞めたい」気持ちは、将来を考えるきっかけ(まとめ)

「総務を辞めたい」という気持ちは、決してネガティブなだけの感情ではありません。
それは、自分の働き方や価値観に向き合うサインです。
感情だけで動くのではなく、理由を整理し、改善できることは試し、それでも変わらないなら新しい環境へ踏み出す…
そんな冷静なステップを踏むことが、後悔のない選択につながります。
あなたのキャリアは、あなた自身が選び、築くものです。
迷ったときこそ、自分の未来にとって最善の一歩を選んでください。