営業事務として働いている中で、
このまま営業事務を続けていて大丈夫かな…
事務職って、キャリアアップの道が見えづらい…
と感じたことはありませんか?
営業事務の仕事は多岐にわたり、会社の円滑な運営に不可欠な存在であるにもかかわらず、時にそのキャリアパスが見えにくいと感じる方も少なくありません。
この記事では、「営業事務はキャリアにならない」と言われる理由を深掘りしつつ、実際には営業事務の経験がどのようにキャリアに繋がり、多様なキャリアパスを描けるのかを具体的に解説します。
あなたの経験を強みに変え、理想のキャリアを築くためのヒントを見つけていきましょう。
営業事務は「キャリアにならない」と言われる理由5つ
営業事務は円の下の力持ちで、会社になくてはならない存在です。
それなのに、なぜ「営業事務はキャリアにならない」という声が聞かれるのでしょうか?
その背景には、いくつかの共通した認識や課題があります。
営業事務は「キャリアにならない」と言われる理由
- 専門性が身につかないと思われがち
- 評価されにくいポジション
- キャリアパスが不明確
- 業務の幅が狭く、単調に感じやすい
- 補助的な立場として扱われやすい
営業事務はキャリアにならないと言われる理由①|専門性が身につかないと思われがち

営業事務の業務は多岐にわたるため、一つ一つの業務が「専門的」と認識されにくい傾向があります。
特定のスキルを深く追求する機会が少ないと感じる人もいるかもしれません。
しかし、これは裏を返せば、幅広い業務に対応できる「汎用性」が高いという強みでもあります。
営業事務はキャリアにならないと言われる理由②|評価されにくいポジション

営業職のように直接的な売上貢献が見えにくいことから、営業事務の成果が評価されにくいと感じるケースがあります。
「縁の下の力持ち」としての役割が大きいため、目に見える形で貢献度を示すのが難しいと感じるかもしれません。
営業事務はキャリアにならないと言われる理由③|キャリアパスが不明確

多くの企業で、営業事務からどのようなキャリアステップがあるのかが明確に示されていないことがあります。
昇進や昇格の機会が限られていると感じたり、将来のキャリアが見通せないと感じたりすることが、将来に対する不安を生んでしまう要因となります。
営業事務はキャリアにならないと言われる理由④|業務の幅が狭く、単調に感じやすい

ルーティンワークが多く、業務の幅が限定的だと感じることがあります。
新しい挑戦やスキルアップの機会が少ないと感じると、仕事へのモチベーションが低下し、
このままでは成長できないのでは…?
という焦りにつながることもあります。
営業事務はキャリアにならないと言われる理由⑤|補助的な立場として扱われやすい

営業担当者のサポートという役割から、主体的に業務を進める機会が少ないと感じることがあります。
意思決定に関わる機会が限られているため、自身の貢献度を感じにくいという声も聞かれます。
営業事務の仕事内容と役割|キャリアパスを考える前に知っておきたい基本
営業事務の役割と仕事内容

営業事務は、営業部門の活動を多角的にサポートする重要な役割を担っています。
これらの業務を通じて、営業事務は営業担当者の業務効率を向上させ、顧客満足度を高める上で不可欠な存在です。
- 受発注業務:顧客からの注文を受け付け、社内システムへの入力、在庫確認、納期調整、出荷手配など
- 見積書・請求書作成:営業担当者が作成した情報を元に、正確な見積書や請求書を作成し、顧客へ送付
- 資料作成サポート:営業資料やプレゼン資料の作成補助、データ集計など、営業活動に必要な資料の準備
- 顧客対応: 電話やメールでの問い合わせ対応、クレーム一次対応等
- 営業データ管理: 顧客情報、売上データ、進捗状況などの情報をシステムに入力・管理
- 来客対応・庶務: 来客応対、備品管理、郵便物対応など、オフィス全体の円滑な運営を支える庶務業務
営業事務で磨かれる市場価値を高める3つのスキル

営業事務の仕事は、一見するとルーティンワークが多いように見えますが、日々の業務を通じて、実は非常に市場価値の高いスキルが自然と磨かれています。
特に以下の3つのスキルは、営業事務の経験から得られる協力な武器になります。
営業事務の市場価値を高める3つのスキル
- 細やかな気配り(ホスピタリティ)
- 正確な事務処理能力
- コミュニケーション能力・調整力
細やかな気配り(ホスピタリティ)
営業担当者や顧客のニーズを先回りして察知し、きめ細やかなサポートを提供することで培われます。
相手の立場に立って物事を考え、円滑な人間関係を築く力は、どのような職種でも重宝されます。
正確な事務処理能力
受発注、見積書・請求書作成、データ入力など、一つ一つの業務をミスなく迅速にこなすことで養われます。
数字や情報を正確に扱い、信頼される仕事ぶりは、ビジネスの基本であり、あらゆる業務の土台となります。
コミュニケーション能力・調整力
電話やメールでの顧客対応、営業担当者との連携、他部署との調整など、多様な人々と円滑に意思疎通を図ることで強化されます。
相手の意図を正確に理解し、自分の考えを明確に伝える力は、チームで働く上で不可欠です。

これらのスキルは、営業事務として日々の業務をこなす中で自然と身についているものです。
意識的に磨き上げることで、さらにあなたの市場価値を高めることができます。
営業事務でもキャリアパスは描ける!5つの方向性を解説
けれど、営業事務がキャリアにならないというのは、あくまで一面的な見方です。
視点を変えれば、そこから広がるキャリアの可能性はたくさんあります。
ここでは、営業事務の経験を活かしながら、その延長線上に広がる代表的なキャリアパスを5つご紹介します。
代表的なキャリアパス
- 専門性×汎用性でスペシャリストを目指す
- 社内でキャリアチェンジを目指す
- 業務改善やマネジメント力で昇格を狙う
- 成長している業界・企業に転職する
- 営業事務経験を活かして副業に挑戦する
営業事務のキャリアパス①|専門性×汎用性でスペシャリストを目指す


営業事務として培った
- 正確な事務処理能力
- 顧客対応力
- データ管理能力
などは、どの業界・職種でも求められる汎用性の高いスキルです。
これに加えて、特定の業界やシステムの知識を深めることで、
- 特定の業界に特化した営業事務
- システム導入・運用に強い営業事務
として、その分野のスペシャリストとして市場価値を高めることができます。
特定の業界知識(具体例)
- IT・SaaS業界におけるクラウドサービスの知識、サブスクリプションビジネスの理解
- 医療・製薬業界における薬事法規や医療機器に関する基礎知識
- 金融業界における金融商品、証券、保険に関する基礎知識
- 貿易・物流業界における輸出入の手続き、通関、国際物流の基礎知識
- 建設・不動産業界における建築基準法、宅建業法、物件管理の基礎知識
特定のシステム(具体例)
- CRM(顧客関係管理)システム(例: Salesforce, HubSpot)の操作・管理スキル
- ERP(統合基幹業務)システム(例: SAP, Oracle E-Business Suite)の操作・データ入力スキル
- SFA(営業支援システム)の活用による営業プロセス効率化の知識
- 会計・経理システム(例: 弥生会計, freee会計)の基本的な入力・管理スキル
- MA(マーケティングオートメーション)ツール(例: Marketo, Pardot)の基礎知識
営業事務のキャリアパス②|社内でキャリアチェンジを目指す


現職の会社で、営業事務以外の職種に挑戦する道です。
営業事務として培った社内知識や業務フローの理解は、他部署への異動で大きな強みとなります。
社内公募制度や上司とのキャリア面談などを活用し、積極的に希望を伝えてみましょう。
(具体例)
- 営業担当者として顧客折衝
- マーケティング部門でのデータ分析
- 人事部門での採用・育成サポート
- 広報・IR部門での社内外コミュニケーション
- 総務・法務部門での契約書管理や法務サポート
- システム部門での社内システム運用サポート
- 企画・事業開発部門での市場調査や企画立案サポート
キャリアチェンジ具体例①|営業担当者として顧客折衝
- 仕事内容:自社の製品やサービスを顧客に提案し、契約獲得を目指す。市場調査、顧客開拓、商談、契約締結、アフターフォローなど。
- 活かせる経験:営業事務として培った顧客対応力、商品知識、営業担当者との連携経験、細やかな気配り。顧客のニーズを理解し、適切な情報を提供するスキル。
- 足りないスキル・経験:新規開拓スキル、交渉力、プレゼンテーションスキル、目標達成へのコミットメント。
キャリアチェンジ具体例②|マーケティング部門でのデータ分析
- 仕事内容: 市場トレンドや顧客データを分析し、マーケティング戦略の立案や効果測定を行う。Webサイトのアクセス解析、広告効果分析、競合調査など。
- 活かせる経験::営業データ管理の経験、数字を正確に扱う能力、営業現場のリアルな声や顧客ニーズへの理解。
- 足りないスキル・経験:データ分析ツール(Google Analytics, Tableauなど)の知識、統計学の基礎、マーケティング戦略立案の知識、論理的思考力。
キャリアチェンジ具体例③|人事部門での採用・育成サポート
- 仕事内容:採用活動(説明会運営、応募者対応)、社員研修の企画・実施、人事制度の運用、労務管理など。
- 活かせる経験:社内調整力、コミュニケーション能力、細やかな気配り、個人情報や機密情報を正確に扱う能力。
- 足りないスキル・経験:労働基準法などの法律知識、採用・育成に関する専門知識、面接スキル、コーチングスキル。
キャリアチェンジ具体例④|広報・IR部門での社内外コミュニケーション
- 仕事内容:プレスリリース作成、メディア対応、SNS運用、株主・投資家向け広報活動など、企業の情報を社内外に発信。
- 活かせる経験::資料作成スキル、正確な情報処理能力、社内外との円滑なコミュニケーション能力、文章作成能力。
- 足りないスキル・経験:広報戦略の知識、危機管理広報、メディアリレーション構築、IRに関する専門知識。
キャリアチェンジ具体例⑤|総務・法務部門での契約書管理や法務サポート
- 仕事内容:契約書の作成・管理、法務相談対応、社内規定整備、備品管理、施設管理など、会社全体の運営をサポート。
- 活かせる経験:正確な事務処理能力、文書作成能力、情報管理能力、他部署との調整力、機密情報の取り扱い経験。
- 足りないスキル・経験:法律に関する専門知識(民法、会社法など)、契約書レビューの経験、リスクマネジメントの知識。
キャリアチェンジ具体例⑥|システム部門での社内システム運用サポート
- 仕事内容:社内システムの導入・運用・保守、ヘルプデスク対応、IT資産管理、セキュリティ対策など。
- 活かせる経験:業務システムへの理解、データ入力・管理経験、問題解決能力、他部署からの問い合わせ対応スキル。
- 足りないスキル・経験:ITインフラやネットワークに関する基礎知識、プログラミングスキル、システム開発・運用経験。
キャリアチェンジ具体例⑦|企画・事業開発部門での市場調査や企画立案サポート
- 仕事内容:新規事業のアイデア出し、市場調査、事業計画の策定、プロジェクトの推進など。
- 活かせる経験:営業現場のリアルな声や顧客ニーズへの理解、データ集計・分析能力、資料作成スキル、論理的思考力。
- 足りないスキル・経験:事業戦略立案の知識、財務・会計の基礎知識、プレゼンテーションスキル、プロジェクトマネジメント経験。



転職してキャリアチェンジを目指す場合は「未経験職種」への応募となり、難易度が上がることに留意しましょう
営業事務のキャリアパス③|業務改善やマネジメント力で昇格を狙う


日々の業務の中で、
もっと効率化できるのに…
このプロセスを変えればもっと良くなる!
と感じることはありませんか?
営業事務の立場で業務フローの改善提案を行ったり、後輩の指導や育成に携わったりすることで、マネジメント能力やプロジェクト推進力を培うことができます。
これらのスキルは、チームリーダーや部署のマネージャーなど、より責任のあるポジションへの昇格に繋がります。



自ら課題を見つけ、解決に導く主体的な姿勢が評価されるでしょう。
営業事務のキャリアパス④|成長している業界・企業に転職する


現在の業界や企業でキャリアパスが見えにくいと感じる場合は、成長産業や、営業事務の役割がより重要視される企業への転職を検討するのも一つの手です。
例えば、IT、SaaS、コンサルティング業界などでは、営業事務が単なる補助ではなく、営業戦略の立案や顧客データの分析に深く関わるケースも増えています。
自身のスキルがより高く評価され、新しい挑戦ができる環境を探してみましょう。
営業事務のキャリアパス⑤|営業事務経験を活かして副業に挑戦する


最近では、会社員として働きながら副業を行う人も増えています。
営業事務で培ったスキルは、副業でも大いに役立ちます。
副業を通じて新しいスキルを習得したり、将来的な独立・起業の足がかりにしたりすることもできます。
(具体例)
- オンラインアシスタント
- 資料作成代行
- データ入力・整理
- 経理・会計サポート
- 秘書業務(スポット・オンライン)
副業の具体例①|オンラインアシスタント
- 業務内容:企業の事務業務全般をオンラインで代行
- 活かせるスキル・経験:スケジュール調整、メール対応、資料作成、データ入力など、営業事務の経験がそのまま活かせる
副業の具体例②|資料作成代行
- 業務内容:プレゼン資料、企画書、報告書など、ビジネス文書の作成等
- 活かせるスキル・経験:営業事務で培った分かりやすい資料作成スキルや、Officeソフトの操作スキルが役立つ
副業の具体例③|データ入力・整理
- 業務内容:大量のデータを正確に、かつ迅速に入力・整理する業務
- 活かせるスキル:営業事務で日常的に行っていたデータ管理能力が強みになる
副業の具体例④|経理・会計サポート
- 業務内容:請求書発行、経費精算、売掛金・買掛金管理など、経理関連の補助業務
- 活かせるスキル:正確な事務処理能力や、会計システムの基本操作経験が活かせる
副業の具体例⑤|秘書業務(スポット・オンライン)
- 業務内容:経営者やフリーランスのスケジュール管理、出張手配、会食設定など、秘書的な業務
- 活かせるスキル:細やかな気配りやコミュニケーション能力が求められる
営業事務からキャリアを広げる5つのステップ
具体的なキャリアパスが見えてきたら、次はその実現に向けて行動を起こすことが重要です。
ここでは、営業事務からキャリアを広げるための具体的な5つのステップをご紹介します。
キャリアを広げる5つのステップ
- 自己理解を深める
- 情報収集・市場理解
- キャリアの方向性を明確にする
- 足りないスキルや経験を補う
- 行動を起こす



やみくもに行動せずに、自己理解をし戦略をもってから動きはじめましょう。
【ステップ①】自己理解を深める


まずは、自分自身の「好き」「得意」「興味があること」を明確にすることから始めましょう。
これまでの業務の経験を通じて、
- 楽しかったこと
- やりがいを感じたこと
- もっと深く関わりたいと思ったこと
などを振り返ります。
また、自分の強みや弱み、価値観を客観的に分析することも重要です。
自己理解を深めることで、本当に自分が望むキャリアの方向性が見えてきます。
【ステップ②】情報収集・市場理解


自己理解を深めたら、次に興味のある分野や職種について徹底的に情報収集を行います。
- 業界の動向
- 求められるスキル
- 平均年収
- 将来性
などを調べましょう。
転職サイトや企業の採用情報を見るだけでなく、実際にその業界で働いている人の話を聞く(OB/OG訪問、SNSでの情報収集など)ことも非常に有効です。
市場のニーズを理解することで、
自分のスキルがどこで活かせるのか
どのようなスキルを身につけるべきか
が見えてきます。
【ステップ③】キャリアの方向性を明確にする


自己理解と情報収集を踏まえて、「今後どのようなキャリアを築きたいのか」を具体的に言語化します。
この段階で、キャリアチェンジをするのか、現職でスキルアップを目指すのか、副業を始めるのかなど、大まかな方向性を決めておきます。
目標達成のためのロードマップ
- 短期的な目標(例:1年後に〇〇のスキルを習得する)
- 中期的な目標(例:3年後に〇〇の役割にチャレンジする)
- 長期的な目標(例:5年後に〇〇のポジションに就く)
【ステップ④】足りないスキルや経験を補う


目標とするキャリアパスに必要なスキルや経験が、現在の自分に不足している場合は、積極的に学習や経験の機会を創出しましょう。
- 資格取得
- オンライン講座の受講
- 社内での新しいプロジェクトへの参加
- ボランティア活動
- 副業経験
など、その方法は様々です。
スキルアップは一朝一夕にはいきませんが、継続的な努力が未来のキャリアを切り開きます。
【ステップ⑤】行動を起こす


計画を立てるだけでなく、実際に行動に移すことが最も重要です。
- 転職活動であれば、履歴書や職務経歴書の作成、面接練習など。
- 現職での昇進を目指すのであれば、上司との面談、業務改善提案の実行など。
- 副業であれば、案件探しやポートフォリオ作成など。
小さな一歩でも良いので、まずは行動を始めてみましょう。
行動することで新たな情報や機会が生まれ、キャリアは着実に前進していきます。
営業事務のキャリアは自分次第で広がる(まとめ)


「営業事務はキャリアにならない」という不安は、あなた以外にも、営業事務として働く女性の多くの方が抱える共通の悩みかもしれません。
しかし、この記事で見てきたように、営業事務として培ったスキルや経験は、決して「キャリアにならない」ものではありません。
むしろ、汎用性が高く、様々なキャリアパスの土台となり得る貴重な財産です。
重要なのは、自分自身のスキルや強みを正しく認識し、市場のニーズを理解した上で、主体的にキャリアをデザインしていくことです。
営業事務のキャリアパス
- スペシャリストを目指す
- 社内でキャリアチェンジする
- マネジメントに挑戦する
- 新しい業界へ飛び込む
- 副業から独立を目指す
営業事務で培ったスキルや経験を活かせる選択肢は無限大に広がっています。
自己理解を深め、情報収集を行い、具体的な行動を起こしてみましょう。
営業事務としてのあなたの経験は、輝かしい未来のキャリアへと繋がっていくでしょう。



今日が人生で一番若い日です