社会人になって、10年以上が経って、漠然とこんなふうに思うことはないでしょうか?
「今の仕事が本当に自分に合っているのだろうか?」
「もしかしたら、自分にはこの仕事は向いていないかも?」
この記事では、今の仕事が本当に適職なのかどうか、悩みを持っている30代のあなたのために、ホランドの六角形モデルを活用したRIASEC診断という適職診断をご紹介します。
RIASEC診断の結果から、個人のパーソナリティのタイプ分けと、それぞれのパーソナリティタイプに適した職業がわかるようになります。
ホランドの「六角形モデル」とは?
アメリカの心理学者、ジョン・L・ホランドは、同じ職業に就いている人びとが類似したパーソナリティ(性格)を持っていることに気づきました。
そして、個人のパーソナリティと職業(働く環境)のタイプを6つに分類し、それぞれの性格に適した職業を選択するための「六角形モデル」を提唱しました。
6つのパーソナリティタイプと職業環境
大多数の人が
- 現実的(Realistic)
- 研究的(Investigative)
- 芸術的(Artistic)
- 社会的(Social)
- 企業的(Enterprising)
- 慣習的(Conventional)
という6つパーソナリティ・タイプのうち、どれか1つに分類されると言われています。
それぞれのタイプの特徴と、具体的な職業例をご紹介します。
現実的タイプ(Realistic)
- 機械・道具など、物を対象とする具体的で実際的な仕事・活動に興味があるタイプ
- 例:エンジニア、建築家、整備士、農業従事者
研究的タイプ(Investigative)
- 研究や調査のような研究的、探索的な仕事・活動に興味がある
- 例:科学者、研究者、医師、データアナリスト
芸術的タイプ(Artistic)
- 音楽、芸術、文芸等を対象とするような芸術的な仕事・活動に興味がある
- 例:アーティスト、デザイナー、作家、音楽家
社会的タイプ(Social)
- 教育や支援等、人と接したり、人に奉仕したりする仕事・活動に興味がある
- 例:教師、カウンセラー、ソーシャルワーカー、医療従事者
企業的タイプ(Enterprising)
- 企画・立案したり、組織の運営や経営等の仕事・活動に興味がある
- 例:経営者、営業マン、弁護士、起業家
慣習的タイプ(Conventional)
- 定まった方式や規則に従って行うような仕事・活動に興味がある
- 例:会計士、行政事務、秘書、データ入力者
RIASEC診断|自分のパーソナリティのタイプを知る
ホランドの「六角形モデル」は、人々の職業選好をこの6つのタイプに分類し、それに基づいて職業選択やキャリア開発を支援する理論です。
そして、この「六角形モデル」をもとに、個々人がどのタイプに属するかを診断するために作られたのが、RIASEC診断です。
自分の興味・関心のタイプと、今の仕事が合っているのか不安に感じている方は、ぜひ一度、RIASEC診断を受けてみることをお勧めします。
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RIASEC診断|職業選択理論
RIASEC診断の結果を解釈・分析する
実際にRIASEC診断をやってみた方向けに、解釈・分析の仕方をお伝えします。
RIASEC診断では、質問への回答をもとに、各パーソナリティタイプ(R、I、A、S、E、C)のスコアが算出されます。
その中で、一番得点が高い項目があなたの特性が活かされるタイプとなります。
しかし、人の特性は一つではないため複数の項目と組み合わせていく必要があります。
多くの場合は、2つまたは3つのタイプが組み合わさった結果となり、それに基づいてその人に適した職業や環境が示されます。
上記のグラフが隣接した3つのタイプが上位にくると一貫性があり、対角線上にくると一貫性がないことを表します。
グラフの対角線上は自分の特性と正反対のタイプです。
自分の特性と正反対のタイプの業務や職業ではパフォーマンスが発揮しづらく、仕事の楽しさを見出すことができない傾向があります。
ケース:わたしのRIASEC診断結果「慣習的タイプ」
わたしは、社会人歴16年目ですが、RIASEC診断をやってみたところ、「慣習的タイプ」に当てはまりました。
1位 慣習的タイプ
2位 社会的タイプ
3位 研究的タイプ
RIASEC診断は何度かやったことがありますが、わたしの経験上は、毎回そんなにスコアがぶれることはなかったです。
自分の適職を考える
キャリアコンサルタントとしての活動もしていますが、わたしの職歴の中で一番長いのは「事務」のお仕事です。
「慣習的タイプ」の適職には、「事務」が含まれています。
診断結果がそのまま今の仕事に当てはまっていました。
わたし自身、「事務」という仕事を「好き」と意識したことはありませし、わたし自身が「好きなことを仕事にしよう」という風潮に疑問を感じています。
とはいえ、少なくとも「事務」の仕事は「嫌いじゃない」「苦にはならない」という感じでしっくりきてはいます。
対角線上のタイプは親和性が低い
対角線上のタイプは、最も親和性が低いと言われています。
わたしの場合であれば、「慣習的タイプ」なので、対角線上にあるのは「芸術的タイプ」になります。
例えば、絵を描いたり、歌を歌ったり、芸術的なセンスが求められることを仕事にするのは避けた方がよさそうです。
ちなみに、わたし自身「芸術的タイプ」の仕事を苦手とする自覚はあり、何もないところから創るっていうのが、非常に心理的ハードルが高いと感じます。
「自由に描いていいよ」って言われてしまうと、正直、何したら良いのかわからなくて、困っちゃうんですよね…
同様に、反対のケースも考えてもらうとわかりやすいと思います。
恐らく「芸術的タイプ」に当てはまった方は、会計ソフトで経理の処理をしたり、月末に大量に請求書を発行するような仕事は、あまり気が進まないと感じるのではないでしょうか?
ミスマッチによる不幸を避ける
わたしは、自分に適した職業分野を発見することも大切だと思っていますが、それと同じくらいに「自分には不適な職業分野を避ける」ことに意味があると思っています。
それは、仕事内容がしっくりきていない、たくさん我慢しなければならない状態って、「自分らしく働く」から一番遠い状態だと思うからです。
「自分にとっての天職とは?」って考え出すとかなりスケールの大きな問いになってしまい、なかなか答えが出せない人もいると思います。
その場合は、自分らしくない仕事を避けることで「自分らしく働く」に近づけていくっていう考え方も試してみてください。
RIASEC診断を使った30代からの自己理解(まとめ)
RIASEC診断とは、ホランドの六角形モデルから、頭文字を取った適職診断のための有名なツールです。
RIASEC診断の結果、多くの人が
- 現実的(Realistic)
- 研究的(Investigative)
- 芸術的(Artistic)
- 社会的(Social)
- 企業的(Enterprising)
- 慣習的(Conventional)
という6つパーソナリティ・タイプに分類して適職を考えることができます。
もし、今の仕事がご自身のパーソナリティタイプと合っていない場合は、
- 業務分担を変えてもらう、社内副業制度を活用する等、同じ職場内で少しずつ違う仕事にチャレンジしてみる
- 自分が興味のある分野の仕事で副業を始める
- 未経験からでもチャレンジできる求人がないか、転職先を探してみる
などの選択肢を考える必要があるかもしれません。
学生時代に取り組んだ「自己理解」と、大人になり一定の職業経験を積んだ今このタイミングでの「自己理解」とでは、全く違った感想になるのではないかと思います。
わたし自身、既に10年以上の社会人経験を積んできたからこそ、仕事への価値観や自分の強み等が形成されてきているのを実感できます。
「今の仕事が向いていないかも?」と漠然とした不安を感じている方は、RIASEC診断などの診断ツールを使って、適職診断をしてみることをお勧めします。
職業経験を積んだ30代こそ、自身のキャリアに迷ったときは、まずは「自己理解」から始めてみましょう。